語学教育と充実した留学制度を特色とする名古屋外国語大学。全学生の半数強が留学を経験し、海外インターンシップや航空サービス留学など、多彩な実践プログラムを通してグローバルな視野を育んでいます。同大学では、留学を語学力向上のためだけではなく、自分らしいキャリアを考えるきっかけとして位置づけ、留学前から帰国後まで一貫したキャリア支援を展開しています。今回は、学生一人ひとりの可能性を広げるために、どのような伴走支援や実践的なキャリア教育を行っているのか、その取り組みについてキャリアサポートセンター部長兼学生部長である浅野氏にお話を伺いました。
Profile

浅野 昌章 氏
名古屋外国語大学 キャリアサポートセンター部長 / 学生部長
学校法人中西学園に入職後、就職課、学生課などの学生支援の部署を経て、現職に就く。学生を取り巻く環境が大きく変化するなかでも、学生に寄り添いながら支援を続けている。
語学力だけではなく、将来のキャリアにつながる留学へ

―まず、御校の特徴について教えてください。
名古屋外国語大学には、客室乗務員やグランドスタッフをはじめ、語学力を活かして活躍したいという想いを持って入学してくる学生が多く、卒業までに半数強の学生が留学を経験します。ただ、私たちは留学を就職のためのものとは考えていません。
留学を通して語学力を高めることはもちろん、多様な価値観や異文化への理解を深め、幅広い教養を身につけ、人として成長してほしいと思っています。
海外で生活し、さまざまな人や文化に触れる経験は、自分自身を見つめ直し、将来について考える貴重な機会にもなります。そうした経験を通じて、世界で活躍し、社会に貢献できる人材の育成を目指しています。
そのため、キャリアサポートセンターも学生一人ひとりの成長を支える存在として、留学とキャリアを一体的に支援しています。
―留学経験は、その後のキャリア形成にどのようにつながっていくのでしょうか。
留学は現地で学び、多様な人々と関わるなかで、「自分はどんな仕事がしたいのか」「どのように社会と関わっていきたいのか」を考える機会になります。
例えば、当初はエアライン業界を目指していた学生が、留学先での経験を通じてメーカーや商社の海外部門など、新たな選択肢に興味を持つこともあります。
そのため、海外インターンシップや航空サービス留学など、実際の仕事や社会との接点を持てるプログラムも充実させています。
海外のホテルや企業で働いたり、海外の客室乗務員養成プログラムなどを体験することで、学生は仕事への理解を深めながら、自身の将来像をより具体的に描けるようになります。
こうした経験が、自分らしいキャリアを考え、新たな可能性を発見するきっかけになっていると感じています。
留学前から帰国後まで伴走支援で不安を払拭

―キャリア支援を行ううえで、意識して取り組んでいることはありますか?
近年は学生を取り巻く環境が変化するなかで、長期留学を希望する学生から、留学と進路選択の両立について相談を受けることが増えています。
だからこそ、名古屋外国語大学では留学前からキャリア形成を意識した支援を行い、学生が安心して留学に挑戦できる環境づくりを進めています。
例えば、留学前にはガイダンスや個別面談を実施し、留学中の過ごし方だけでなく、帰国後を見据えたキャリア設計についても一緒に考えています。
慣れない土地での生活や世界情勢の変化など、不安を感じる場面も少なくありません。だからこそ、一人ひとりに寄り添いながら、留学とキャリアの両面を見据えて計画を立てられるよう意識して支援を続けています。
―留学中や帰国後のサポートも行っているのでしょうか?
支援は留学前だけで終わりません。留学中もオンラインによるワーク型のガイダンスや個別面談を実施し、日本にいるときと変わらずキャリアに関する相談や情報収集ができる体制を整えています。
オープン・カンパニーやインターンシップに関する情報提供も継続的に行い、留学中であっても必要な情報を得られるようサポートしています。
また、帰国前から企業へのエントリーや情報収集をサポートし、帰国後にはガイダンスや個別面談に加え、就活準備集中セミナーも実施しています。
現地での学びや経験を振り返りながら、自身の進路やキャリアについて考える機会を設けていることも特徴です。
留学経験を自己PRとして整理する方法や業界研究、面接対策などを集中的に行い、自信を持って就職活動に臨めるよう支援しています。
就職環境が変化するなかでも、学生が留学経験を自身の成長につなげながら、自分らしい進路を実現できるよう伴走しています。
さまざまな経験を通して、自ら考え、行動する力を育む

―キャリア形成を支える取り組みとして行っている「業界研究グループ」についても教えてください。
キャリア形成支援の一環として、学生が主体となって活動する「業界研究グループ」を設けています。エアラインやマスコミなど「業界」について学生自身が企画・運営しながら学ぶ取り組みです。
この活動では、企業見学や空港見学、卒業生との交流会などを実施し、現場で働く社会人から直接話を聞くことで、仕事の魅力や業界への理解を深めています。
特徴的なのは、大学が学びの機会を提供するだけではなく、企画から運営まで学生自身が担う点です。
教職員は必要に応じてサポートしますが、主役はあくまでも学生です。一つひとつの経験が、企画力やリーダーシップ、チームで協働する力を育む貴重な機会になっています。
―留学やさまざまな経験を通じて、学生にはどのような変化が見られますか?
留学を経験した学生は、語学力だけでなく、自ら考え、行動する力を大きく伸ばします。慣れない環境のなかで多様な価値観に触れ、自分で課題を見つけて解決する経験は、学生の視野を広げ、自信にもつながっています。
その結果、当初思い描いていた進路とは異なる分野に興味を持つ学生も少なくありません。私たちは、その変化を前向きに受け止めています。
留学は海外で働くことを目的とするものではなく、自分の可能性を広げ、自分らしい進路を見つけるための経験です。そこで培われた主体性や挑戦する姿勢は、どのようなキャリアを選んだとしても、社会で活躍するための大きな力になると考えています。
一人ひとりの選択を尊重し、可能性を広げるキャリア支援

―今後のキャリア支援で大切にしていきたいことを教えてください。
先ほども申し上げたとおり、留学は自分自身の可能性を広げるための一つの経験だと考えています。
だからこそ、留学を経験した学生がグローバル企業だけでなく、内需型の企業など、どのような分野を志望するようになっても、その選択を尊重し、一人ひとりに合ったキャリアを一緒に考えていくことを大切にしています。
これからも、学生が自分らしい未来を描き、その実現に向かって歩んでいけるよう、留学とキャリアを一体的に支援していきたいと思います。
―最後に、他大学の皆さまへメッセージをお願いします。
学生を取り巻く環境は変化していますが、学生には焦ることなく、自身の可能性を見つけながら進路を考えてほしいと思っています。
そのため、キャリア支援も単に進路決定をサポートするだけではなく、学生が主体的に将来を考え、自分らしいキャリアを築けるよう後押しするものでありたいと考えています。
これからも大学同士で学び合いながら、学生一人ひとりの可能性を広げる支援につなげていければと思います。
Editor’s Comment

名古屋外国語大学の浅野学生部長兼キャリアサポートセンター部長に取材しました。同大学では、学生の半数強が留学を経験するという特色を生かし、「留学×就職」を軸としたキャリア支援に注力されています。
キャリア形成活動、就職活動を取り巻く環境が変化するなか、留学中の学生が不利にならないよう、留学前・留学中・留学後を通じた切れ目のないサポートを行い、オンライン面談や業界セミナー、エントリー支援などを充実させている点が印象的でした。
また、業界研究グループなど、学生が主体的に活動しながらキャリア形成を図る機会を数多く設けていることも特徴です。
就職活動だけを見据えるのではなく、留学や課外活動への挑戦そのものを成長の機会として捉え、学生一人ひとりの可能性を広げる支援のあり方に、今後も注目していきたいです。
(マイナビ編集長:高橋)
「マイナビキャリアサポート」は
キャリア支援・就職支援に関する総合情報サイトです
長い学生生活の出口で、学生たちを社会へと送り出す。その大きな役割と責務を担っている皆さまに寄り添い、活用いただける情報をお届けするため、2022年にサイトをリニューアルいたしました。
より良いキャリア支援・就職支援とは何か。答えのないその問いに対して、皆さまの学生支援のヒントとなるような情報をお届けして参ります。











