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2025年卒大学生活動実態調査 、モニター調査、2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査について|マイナビ編集長コラムvol.8

マイナビ編集長による、各種調査結果を基にしたコラムです。
今回は、2025年卒大学生活動実態調査 、モニター調査、2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査について解説します。

Profile

高橋 誠人
株式会社マイナビ 就職情報事業本部 マイナビ編集長
2002年、株式会社マイナビに入社。キャリアサポーターとして10年間マイナビの学生向け広報業務に携わり、関西圏の大学、短大、専門学校での就活支援講座を多数行うなど、学生の就活サポートを精力的にこなす。その後営業の現場で、企業の採用コンサルティングに幅広く関わる。熊本支社長、鹿児島支社長、兵庫支社長を経て、2018年7月より現職。日本キャリア開発協会会員(CDA)。

皆さま、こんにちは。マイナビ編集長の高橋です。
残暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。後期の授業も始まり、夏期休暇でさまざまな経験を積み成長した学生の方々がキャンパスに戻り、再び活気のある光景に戻ったのではないでしょうか。今回のコラムでは、2025年卒学生の活動実態やモニター調査、2026年卒学生のインターンシップ・就職活動実態などについてお伝えいたします。

2025年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は89.8%(前年比5.9pt増)

2024年8月に発表しました「2025年卒 大学生 活動実態調査(8月)」によると、2025年卒業予定の8月末時点での内々定率は89.8%と昨年から5.9pt増加し、学生一人あたりの内々定社数を見てみると内々定が「1社のみ」の学生は昨年とほぼ変わらない割合でしたが、「2社」の学生が昨年よりも2.5pt減り、「3社以上」の学生は2.7pt増でした。複数の内々定をもつ学生の中で保有社数が増加していることから人材獲得の厳しさが推測されます。

次に、内定式についてですが、8月末時点で入社予定先企業を決定している学生のうち、内定式の実施の連絡がきたのは79.0%でした。また、詳細な内容を学生に伝えている企業のうち、内定式を対面形式で予定している企業は87.7%と多くの企業が対面での内定式を予定していることがわかりました。

学生に対して内定式に向けての不安等を聞いたところ、「他の内定者と仲良くなれるか(62.5%)」が最多で、次いで「内定先の社員や役員とうまく話せるか(47.5%)」が多く、その他にも「服装や髪型はどうしたらいいか」「当日のタイムスケジュールや持ち物の詳細がわからない」など、内定式の詳細についての不安も見られました。

内定式でやってほしいことでは、上記の内定者への不安に連動し、内定者同士の交流や社員とのコミュニケーションに関する内容が多く、その他には引っ越しなども想定し、「入社前後のスケジュールを教えてほしい」「今後のスケジュールについて質問したい」という入社前後のスケジュールに関する希望も多くみられました。

社会人になった際の投資意欲は?

社会人になった際の資産形成のための投資について聞いたところ、「必ず行う・余裕があれば行いたい・検討する」と前向きな回答が63.6%でした。そのうち、「必ず行う」が18.6%と投資への高い意欲がみられました。また、「すでに投資を行っている」が13.3%と、約1割の学生が投資を行っていることが明らかになりました。前月の調査の「社会人になったらお金を“かけなければいけない”と思うもの」という質問では「将来のための貯蓄(65.9%)」という回答が最多で、現代の学生において貯蓄を含む資産形成への意識は特別ではないことがうかがえます。

理想の人事担当者は?

2025年卒学生モニター調査7月の活動状況』の結果では、毎年おこなっている就活生が選ぶ「理想の人事担当者」男性1位は6年連続 櫻井翔さん、女性1位は4年連続 水卜麻美さんでした。理由は「会社のことを詳細かつ分かりやすく説明してくれそうだから。また、入社後もキャリアについて親身に相談に乗ってくれそうだから」(櫻井翔さん)、「いつも笑顔が素敵で面接中余計な緊張をすることなく話せそうだから」(水卜麻美さん)という理由でした。この理由を見ると、やはり学生は就職活動において入社後のキャリアも考え、活動中は不慣れな面接に緊張している様子がうかがえます。ちなみに、男性部門の2位は内村光良さん、3位は大泉洋さん、女性部門は2位天海祐希さん、3位綾瀬はるかさんと続きました。

就職活動に影響したニュースワードについて60個の選択肢の中から選んでもらったところ、前年に引き続き、最も多く選ばれたのは「初任給アップ(27.6%)」となりました。2位は4年連続で「テレワーク、リモートワーク、在宅勤務(19.3%)」、3位は2年連続で「働き方改革(18.4%)」でした。

AIに関する項目は4位の「ChatGPT・対話型AI(14.8%)」は前年9位から、5位の「人工知能・AI(14.4%)」は前年6位から、それぞれ順位を上げました。ニュースワードが就職活動にどのように影響したかを自由回答で聞いたところ「(初任給アップ)不景気だからこそ少しでも給料の良い会社に行きたいという気持ちが強くなった」「(テレワーク、リモートワーク、在宅勤務)リモートワークが柔軟にできる会社だと志望度が上がった」などの回答が見られ、社会情勢や柔軟な働き方が企業選びに影響していることがわかります。

また「(ChatGPT・対話型AI)ChatGPTを利用して自己分析をしたことがあったから」「(人工知能・AI)AIの手助けによるエントリーシートの作成や企業調べ」といった回答もあり、AIを活用して効率的に就職活動を進めている様子がうかがえます。

2026卒生の動向は?

マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(8月)』によると、26年卒学生の8月単月のインターンシップ・仕事体験参加の割合は71.1%となり、前月よりも34.0ptと大幅に増加しました。また、インターンシップ・仕事体験に初めて参加した時期を聞いたところ、8月が最多の44.9%、定義改正があり注目度が上がったことや、8月は学生が夏季休暇期間で、日程的にもインターンシップ・仕事体験に参加しやすい時期のため参加する学生が増えたと考えられます。

約8割の学生が「初任給」の額が本選考への応募に影響すると回答


就職活動が始まった後を想像して「初任給」の額が応募に影響するかを聞くと、87.1%(「非常に影響する(32.3%)」+「やや影響する(54.8%)」)が影響すると回答しました。また、最低限ほしい初任給の額は「20~21万円未満」が18.2%で前年同様に最多でしたが、前年比で6.2pt減少しました。一方「22万円以上」を希望する割合が63.0%と前年よりも13.8%増えており、全体として最低限ほしいと思う初任給の額が年々上がっています。昨今の物価高など経済不安の影響で、学生が経済的に安定を得られると考える金額が徐々に上がっていると予測できます。

学生がインターンシップ・仕事体験参加後にもらえるとうれしい企業からのアプローチは「次回のインターンシップ情報や選考に関する案内」

インターンシップ・仕事体験参加後にもらえるとうれしい企業からのアプローチを聞いたところ、「次回もしくは別のインターンシップ・仕事体験情報」が69.4%、「採用選考のスケジュール案内 」が62.2%、「インターンシップ・仕事体験参加者限定の採用選考の案内」が61.2%となり、参加後のインターンシップや選考に関する案内が多い結果になりました。

学生はプログラム終了後に次回のインターンシップ・仕事体験に関する情報や選考に関する情報が届くことを好意的に受け取っていますが、企業は選考スケジュールを守って、学生とのかかわりを持つことが重要だと考えます。

企業から提示されると志望度が上がるキャリアパスは「社内公募などにより自分のやりたいことにチャレンジできる」が44.0%で最多

企業から提示されると志望度が上がるキャリアパスについて聞いたところ、「社内公募などにより自分のやりたいことにチャレンジできる」が最も多く44.0%となり、終身雇用の継続が難しくなり、自分自身でキャリアを築いていく力をつけることが必要とされる中、学生自身もキャリアを柔軟に選択したいと考えており、組織の中で自分が得た経験やスキルに応じて、次のチャレンジや成長の機会が用意されている環境を希望していることがうかがえます。また、「育児や介護などライフステージに応じて職位や役職などを変更できる(36.0%)」も割合が高く、将来的な家庭のイベントなどに柔軟に対応ができる企業を希望する学生が多いことがわかります。

あとがき

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。今回は2025年卒学生の内定率調査、内定式への意識、理想の上司像についてお伝えさせていただきました。また、AIについても学生への浸透率の高さが伺えます。2026年卒学生のインターンシップへの参加率、初任給、入社後のキャリアパスについて、年々、学生のキャリア形成意識の向上が見られます。このようにキャリア観が変化していくなか、どのような支援をすべきか、ぜひ私達も一緒に考えさせていただければと思います。

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