TOP  /  コラム  /  2027年卒学生のキャリア意向と企業の新卒採用動向|マイナビ編集長コラムvol.12

2027年卒学生のキャリア意向と企業の新卒採用動向|マイナビ編集長コラムvol.12

マイナビ編集長による、各種調査結果を基にしたコラムです。
今回は、2027年卒大学生キャリア意向調査、2027年卒大学生広報活動開始前の活動調査、2027年卒企業新卒採用予定調査について解説します。

Profile

高橋 誠人
株式会社マイナビ 就職情報事業本部 マイナビ編集長
2002年、株式会社マイナビに入社。キャリアサポーターとして10年間マイナビの学生向け広報業務に携わり、関西圏の大学、短大、専門学校での就活支援講座を多数行うなど、学生の就活サポートを精力的にこなす。その後営業の現場で、企業の採用コンサルティングに幅広く関わる。熊本支社長、鹿児島支社長、兵庫支社長を経て、2018年7月より現職。日本キャリア開発協会会員(CDA)。

皆さま、こんにちは。マイナビ編集長の高橋です。
2026年も4月に入り、皆さまの各キャンパスでは新入生の初々しい声が聞こえているのではないでしょうか。私たちも入学から卒業後まで、一人ひとりが自立したキャリア形成ができるようになるために、サポートをより一層充実させたいと考えています。今回も最新の調査結果をもとに、2027年卒学生の状況や広報活動開始前の動き、企業の2027年卒新卒採用予定についてお伝えします。今後のキャリア支援の一助になれば幸いです。

<学生>2027年卒学生の3月1日時点の内々定率と活動継続率

2026年3月上旬に発表された『2027年卒 キャリア意向調査3月1日<就職活動・進路決定>』によると、内々定率は前年から2.9pt増加し、46.0%となりました。前々年(34.3%)から前年(43.1%)にかけては8.8ptの増加だったため、増加の幅は小さくなりました。

文理別で見てみると、理系学生の内々定率(56.5%)は文系学生(39.3%)に比べかなり高く、半数を超える学生が内々定を保有しています。

内々定を保有している学生のなかでも、就職活動を終了する学生はまだ少なく、未内々定の学生と内々定を持ちながら就職活動を継続する学生を合わせた活動継続率は84.1%(前年比2.2pt減)と依然として全体の8割を大きく超える学生が活動を継続している状況です。

<学生>これからの就職活動の展望について

就職活動を継続する学生にこれからの就職活動を通じて、何社の内々定を得られると思うか聞いたところ、平均は2.4社でした。内々定の有無別では、内々定保有したまま活動を継続する学生は3.0社と現状の保有社数平均の1.7社から追加で1.3社の内々定を得られる見込みのようです。

未内々定者も平均で2.0社の内々定を得られると見込んでいます。就職活動を継続する学生に、今後選考を受験する予定の社数を聞いたところ、平均は9.6社でした。未内定の学生の平均は10.8社で、内々定を保有しながら活動を継続する学生の平均は7.4社でした。内々定を持ちながら活動を継続し、追加の選考に複数参加する予定のようです。

<学生>就職活動の進捗状況と内々定企業発見ツール(方法)

第一志望の企業の選考状況を聞いたところ、「まだ選考を受験していない」が32.8%で、全体の約3分の1の学生はまだ本命の選考が始まっていないことがわかりました。エントリーシート提出や1次面接など、選考途中の学生も多く、前年と比較してもあまり変わらないペースで進んでいると言えそうです。

また、第一志望の企業について「まだ選考を受験していない」文系の学生は37.7%であるのに対し、理系の学生は25.1%でした。「内々定を承諾した」学生は文系が6.3%しかいないのに対し、理系は21.8%で、進捗に大きな差があります。

内々定保有者に、現在入社意思の最も高い企業の主な発見ツール(方法)を聞いたところ、最も多かったのはインターンシップ(5日間以上)と仕事体験で、それぞれ16.4%でした。就職情報サイトは13.8%、合同企業説明会は9.6%、企業ホームページが8.9%、オープンカンパニー&キャリア教育等が8.1%などとなっているのが興味深いです。

<学生>インターンシップ等のプログラム参加率と参加社数

2026年2月に発表された『2027年卒 大学生広報活動開始前の活動調査』によると、2027年卒学生のインターンシップ&キャリアのキャリア形成プログラム参加率は85.6%で高水準を維持する結果となりました。

プログラム別の平均参加社数は、インターンシップ(5日間以上)が0.8社、仕事体験が3.4社、オープン・カンパニー&キャリア教育が5.7社となりました。また、インターンシップ&キャリアのキャリア形成プログラムに参加して、もっとも良い印象を持った企業で働きたいと思った割合は89.6%となりました。

理由としては、「やりたいことができるから(50.4%)」「社風が自分に合っているから(45.5%)」「働いている人が自分に合っているから(40.3%)」などが上位に挙がりました。学生はインターンシップ&キャリアを通じて、仕事内容や社風、社員の人柄などが自分の志向と合うかを見極めているようです。

<学生>就職活動を終えたい時期について

3月以降に企業へエントリーする予定社数を聞くと、全体では6.7社となり、前年から1.3社減少しました。文理別では、文系で8.8社(前年比1.1社減)、理系で4.4社(前年比1.3社減)となり、いずれも2年連続で減少となりました。

インターンシップ&キャリアの活動活発化を背景に、納得のいく1社を選ぶ「ピンポイント就活」の傾向が一層加速しているとみられます。また、いつごろまでに就職活動を終えたいかを聞いたところ、例年と同様に最多回答は「今年6月(19.7%)」でしたが、前年から2.3pt減少しました。

文理別では、理系学生では「今年3月(19.6%)」が多く、文系学生(9.0%)と10.6ptの差がみられ、志望度の高い企業にピンポイントで応募し、早く活動を終了したいという意向がうかがえます。

<企業>2027年卒の採用予定数は?

2026年2月に発表された『2027年卒 企業新卒採用予定調査』によると、2027年卒の採用予定数は全体・文系・理系ともに「増やす」が減少し、「前年並み」が増加しました。

採用決定数を決定する大きな要因としてもっとも多かったのは「従業員の年齢構成」(52.2%)で2年連続で増加しており、次に多かった「前年の採用実績」(48.5%)も2年連続の増加となりました。

前年(26年卒)は採用充足率が全体で過去最低を更新しており、新卒採用が苦戦している企業が多くなっているなかで、採用数を増やすのではなく現状維持とする企業が増えていると考えられます。

<企業>初任給の引き上げ

給与の引き上げについて伺ったところ、初任給の引き上げを行う予定の企業は合計で55.4%となり、前々年(2025年卒)の47.2%、前年(2026年卒)の54.1%からさらに増加しています。

そのうち「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」と回答した企業は全体で48.7%(前年比4.5pt増)、上場企業では62.1%(前年比18.2pt増)、非上場企業では47.8%(前年比3.5pt増)となり、いずれも増加しており、特に上場企業において積極的な引き上げが見られます。

初任給(学部卒・支給額)の平均額は2027年卒全体で234,223円となり、2026年卒から8,437円増加しました。上場企業・非上場企業ともに前年比で増加しています。しかしながら、学生の理想とする平均初任給額は288,000円であり、求職者の希望額には及ばない結果となっています。

引き上げの理由としてもっとも多かったのは、前年同様「求職者へのアピールのため」(56.4%)でした。次いで多かった「他企業が引き上げをしているため」や「定着率を高める・離職を防ぐため」などは前年から増加しており、他企業との待遇面における差別化や、それによる人材流出の防止という観点から引き上げを行う企業が多い状況です。

<企業>AIの浸透による新卒採用数への影響

AIが浸透するなかで、自社の新卒採用数がどのように変わるかを伺いました。もっとも多かった回答は「変わらない」(90.3%)で、「増える」(5.7%)、「減る」(4.0%)が続きました。

AI時代に新卒入社の新入社員に求めるスキル・能力、入社後に伸ばしてほしいスキル・能力について伺うと、「コミュニケーション力(AIを補完し、人との協働を円滑にする力)」(50.0%)がもっとも多く、対人的なコミュニケーションや関係構築に関するスキルを重視していることがわかります。

これまで新入社員が担当していた業務について、AIで代替可能かどうかを尋ねたところ、「データ入力」(57.0%)や「集計業務」(53.8%)、「定型的な資料作成」(50.7%)といった業務は「新入社員に任せていて、AIで代替可能」という回答が5割を超えました。

一方で、「新入社員に任せていて、AIでは代替できない」とする回答が多かったのは、「顧客対応の一時窓口(受電、メール対応)」(33.9%)や「顧客への提案」(28.1%)、「顧客要望のヒアリング」(25.9%)など、顧客とのやり取りが発生する業務でした。

AI時代において自社で新卒採用を行う理由について伺うと、もっとも多かったのは「若手人材の長期育成を重視しているため」(65.1%)で、「将来の幹部候補を確保するため」(48.8%)、「組織文化や価値観の継承が必要だから」(43.7%)なども上位に挙がりました。

企業の持つ文化や価値観を継承するためにも、将来のコア人材となる社員の採用と、そうした人材の長期的な育成が必要だと考えている企業が多いようです。

あとがき

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。今回は2027年卒学生の状況や広報活動開始前の動き、企業の2027年卒新卒採用予定をお伝えしました。

2027年卒の就職活動は、学生の活動量は依然として高く、企業側も採用数の維持や初任給引き上げなど、優秀な人材確保に向けた取り組みを強めています。学生のAI活用が進むなかでも、対人能力や企業文化の継承を重視する姿勢は変わらず、学生・企業双方がより納得度の高いマッチングを実現するための工夫が求められる状況です。

今後も「就職活動」という「点」ではなく、大学入学後の低学年から卒業後も続く「キャリア形成活動」という「線」の捉え方で、キャリアセンターの教職員の皆さまへのサポートやサービスを提供していきたいと考えております。

・マイナビ2027はこちら
https://job.mynavi.jp/2027/

・イベント情報はこちら
https://job.mynavi.jp/conts/2027/event/index.html?1776304451255

・就活支援コンテンツはこちら
https://job.mynavi.jp/conts/2027/index.html?1776304507261

「マイナビキャリアサポート」は
キャリア支援・就職支援に関する総合情報サイトです

長い学生生活の出口で、学生たちを社会へと送り出す。その大きな役割と責務を担っている皆さまに寄り添い、活用いただける情報をお届けするため、2022年にサイトをリニューアルいたしました。
より良いキャリア支援・就職支援とは何か。答えのないその問いに対して、皆さまの学生支援のヒントとなるような情報をお届けして参ります。