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大学1年生の過ごし方は、就職活動にどう影響する?学生生活と就活への関わり方、考え方

大学生活をスタートしたばかりのうちは、新しい環境に慣れるだけで精一杯という人も多いのではないでしょうか。
一方で、この1年間をどう過ごすかがそのあとの学生生活を充実させるカギとなります。
この記事では、大学1年生の過ごし方や就職活動との関連などを説明します。

大学1年生は就職活動に対してどう向き合えばよい?

大学に入学したばかりの1年生は、就職活動に対してどのように向き合えばよいのでしょうか。
大学の4年間は学業を修める場であると同時に、社会に出るための準備期間です。しかし、焦って就職活動に取り組む必要はありません。

まずは、過去の自分の興味関心や物事に対する考え方などを振り返ってみましょう。そして、過去の経験を踏まえて「自分はどのようなときに喜びや達成感を感じるか」「自分は将来どうなりたいか」について考えていきます。
この段階では、業界や企業まで絞れていなくても構いません。今のうちに自分について深く考えていくだけでも、後々より具体的に行動を起こす際の助けになってくれます。

大学1年生が就職やキャリア形成に対してできること

就職やキャリア形成に対して、大学1年生からできる取り組みは具体的に何があるのでしょうか。ここでは4つの取り組みを紹介します。

自分の価値観を見つめ直す

まずは、自分の価値観を見つめ直すところから始めてみましょう。
自分は何に興味関心を持ち、将来どのような仕事をしていきたいのかを考えてみます。

例えば高校時代までの「自分史」を作り、「何が楽しかったか」「何か不満だったか」など、当時の出来事や感情、理由まで振り返ってみましょう。
また、大学入学後に挑戦しようと思ったことも、取り組みたい理由とともにリストアップします。

自分の考えを整理すると、「何を大切にしているのか」という価値観が見えてきます。
また整理する際は、これまでに自分がなりたいと思っていた職業や、将来の夢についても思い出しておきましょう。
そうして価値観を理解することで、自分が向いている仕事は何か、今後何をしていきたいのかについて把握しやすくなります。

世の中や情勢に目を向けてみる

ニュースや新聞、インターネットを活用して世の中や社会情勢に目を向けると、世の中には数多くの業界や企業が存在することに気が付くかと思います。
普段意識してこなかったような分野の中にも興味を引く話題があるかもしれません。そうした気付きをきっかけにして、業界や企業について掘り下げていくとよいでしょう。

また、自分が通う大学のキャリアセンターのサイトなどから、先輩たちの就職実績や進路をチェックするのも効果的です。どのような企業に就職しているかを調べるほか、ピンときた業界や企業があれば注目してみると、自分の視野を広げるきっかけとなります。

低学年向けのイベントに参加する

低学年向けの就職・イベントに参加するのも有効です。
大学のキャリアセンターの多くは就職年次の学生の就職活動サポートをするだけでなく、低学年向けのキャリア形成のためのイベントも実施しています。
社会人のゲストを招いたトークイベントや会社説明会、就職活動プレ講座など内容は多彩ですが、自分の未来を考えるきっかけになるかもしれません。

また、大学によっては就業体験プログラムを実施している場合もあります。就業体験では、企業や業務の理解を深められ、自分がどのような仕事に興味があるかを見つけるよい経験になるでしょう。

興味のある分野の勉強をする

大前提として、大学で最も重要となるのは学業です。まずは授業・レポート等にしっかりと取り組みましょう。
入学した学部や学科の授業に限らず、おもしろいと思った科目を探すのもおすすめです。
大学によっては2年生もしくは3年生から少人数制のゼミナールが始まるため、興味のある分野を探すきっかけになるでしょう。
意欲的に取り組むことでその分野の知識が得られるだけでなく、自主的に行動する力も身につくかもしれません。

そしてさらに学びを深めたい場合や、気になる分野や業界、職種があれば、関連する資格取得を目指して勉強を始めてもよいでしょう。就職活動と勉強を分けて考えず、どちらも「自分にとって興味があることは何だろう」という目線で取り組むことが重要です。

大学1年生の学生生活の過ごし方

それでは、大学の1年目はどのような学生生活を過ごしたらよいでしょうか。より充実した大学生活を送るためのポイントを5つ紹介します。

単位をしっかりと取得する

卒業を見据え、計画的に単位を取得していきましょう。
学年が上がると、ゼミや卒業論文、就職活動など取り組まなければならないことが増えます。
また、1年間で取得できる単位数には上限があるため、1年次でしっかり単位を取得できていないと、就職活動や卒業論文との両立が難しくなる可能性があります。

そのため、各学年で取得できる科目や単位数をあらかじめ確認し、1年生のうちから計画的に取得することが大切です。

アルバイトを通じて「仕事」を経験してみる

大学生になると、応募できるアルバイトの幅が広がります。アルバイトを通じて仕事を経験するのもおすすめです。
社会に出て働く体験ができるほか、仕事を任されることで責任感も生まれるでしょう。また、ビジネスマナーが身につくほか、大学以外での交友関係が広がります。
例えば、塾講師やファストフード、居酒屋では、年代の近い人が多い環境で仕事ができるでしょう。
一方で、多様な年代の人と働きたい場合は、ホテルやコンビニエンスストア、スーパーなどもおすすめです。

ボランティア活動や留学など興味のある活動に参加する

興味のある活動に参加するのも、充実した大学生活を送るために効果的です。
例えば、代表的なものとしてボランティア活動や留学が挙げられます。

ボランティア活動は無償で社会奉仕する側面もありますが、自ら支援したい、活動したい思いが参加の原動力になります。種類は高齢者や子どもを対象にしたものから、国際交流、地域、環境、被災地支援まで多様です。
参加するコミュニティによっては、幅広い年齢層が参加しているため普段接しないような人々との交流が可能になるでしょう。また自ら考えて行動することが求められ、自然と自分と向き合う機会になります。

「異文化を体験したい」「語学力を上げたい」などの希望があれば、春休みや夏休みの長期休暇を利用した留学やホームステイに挑戦するのもよいでしょう。日本とは違った文化や習慣、価値観に触れる体験ができます。
言葉の通じない環境で生活することで新たな発見を得たり、言語の壁を乗り越える体験を通して自分に自信が持てるようになるかもしれません。また、現地で友人ができて交友関係のネットワークが広がる可能性もあります。

他にもさまざまな活動があります。学外の経験を通じて自主性を磨いたり、自分の考えや知見を広げることもおすすめです。

友達や先輩と過ごす時間を大切にする

クラスや学年での交流が多かった中学・高校に比べ、大学では多くの場合学部や学科単位で区分されます。それでも授業や活動によっては学部学科の枠組みを超えることも多く、関わる人数が一気に増えるのではないでしょうか。さらにアルバイトや部活動、サークルなどの活動に参加すると、交友関係が大きく広がります。

これまで交流してこなかったタイプの人々と出会うことで、自分の価値観に影響をもたらしてくれるかもしれません。
また、高校までに比べると過ごし方や生活の自由度が上がり、自分の判断でいろいろな場所に赴いたり、いろいろな遊び方ができるようになります。新しい出会いや体験を求め、出会った友達や先輩と過ごす時間を大切にするとよいでしょう。

興味のあることにとことん打ち込む

時間にゆとりのある大学時代だからこそ、思い切って興味のあることにとことん打ち込んでみましょう。
例えば、以下のようなものがあります。

  • 「新聞のスクラップを作成する」
  • 「好きな小説家の本を読む」
  • 「ブログを書いて毎日発信する」
  • 「イラストを描いてSNSで発信する」
  • 「フルマラソンに挑戦する」
  • 「サウナ巡りをする」

ここに挙げたのはあくまで一例ですが、どのようなことでも構いません。大事なのは「やりたい」という情熱があるかどうかです。
たとえ勉強や仕事に直結しなくても、興味があることや好きなことにとことん打ち込むことが、結果的に継続する力になるだけでなく、自分の価値観の形成につながります。
また、将来何をしていきたいのかイメージをつかむきっかけになるかもしれません。

大学1年生に対するキャリア・就職支援、何ができる?

ここまで大学1年生がキャリアについてできることや大学生活の過ごし方を見てきました。
一方、大学1年生に対してキャリア・就職支援担当者はどのようなサポートができるのでしょうか。

大学のキャリア・就職支援担当者は、学生が気付きを得られる場を増やしていくことが求められます。
特に、大学1年生は大学という新たな環境に対してまだ慣れておらず、どう過ごせばよいのかわからないかもしれません。
まずは自分の今の立ち位置を振り返るセミナーや、将来の設計図づくりの講座のほか、留学やボランティア、サークル活動やアルバイトなどの活動について気軽に相談できる場の実施などが有効でしょう。
できれば就職活動とは切り離し、学生が気軽に楽しく参加できるような関わりが求められます。

また、コロナ禍で通学の機会が減ったため、両親に就職・キャリアに関する相談をするケースも増えてきています。
学生本人からキャリアなどに関する相談を受けた場合は、本人の気付きを完全に否定せずに尊重することが大切です。学生本人が導き出した考えや価値観に対して、本人も知らないような強み弱みなどを適切にフィードバックし、学生本人に気付きを与えます。
このような、キャリアについて学生に自由に考えてもらえるような関わりが求められるでしょう。

大学1年生に対するキャリアサポート事例

大学1年生に対するキャリアサポートの事例として、摂南大学と広島大学の取り組みを紹介します。

摂南大学では、学長自らが旗振り役となり、キャリア教育や就職支援に取り組んでいます。
学生の意識を徐々に高め、就職活動にスムーズに移行できるように、1~2年次はキャリア教育をカリキュラムに組み込むなど、1年次からさまざまなプログラムを実施しているのが特徴です。
入学直後から卒業後を意識した目標設定をおこなうことで、卒業後の自分をイメージしてもらい、学生が大学で学ぶモチベーションを高めるようにしています。

「大学事例|学長自ら旗振り役となり大学1年次から始めるキャリア教育・就職支援|摂南大学」を読む

広島大学では1年次から社会との接点を設け、学生が「仕事を知る」「自分を知る」の両方が可能な環境づくりを進めています。
また、マイナビが提供するキャリアデザインツール「適性診断MATCH plus」を導入。「適職診断テスト」として実施し、世の中や自分について知る機会を創出しています。
2018年に開設したキャリアデザイン講座は1年次から参加でき、同窓会組織の協力を得てさまざま業界で活躍するOB・OGの経営者の話を聞くことができます。

「大学事例|大学1年次から社会との接点を設け学生の意識を育んでいく|広島大学」を読む

まとめ

社会に出る前の準備期間のうち、土台となるのが大学1年生の過ごし方です。
自分のキャリアという「未来の設計図」を描きながら、さまざまな体験を積み重ねることが学生生活の充実につながり、そのあとの就職活動にも役立ちます。

キャリア・就職支援担当者は、学生が将来について楽しく考えられる場を提供するなどのサポートをしていきましょう。

マイナビキャリアサポートでは、キャリア・就職支援担当者の皆様の視点に立ち、支援方法など情報発信をおこなっています。
また、マイナビでは学生と社会をつなぐ「START」などのサイトを展開しています。併せてご覧ください。

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