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大学1・2年生から始める就活準備とは?自分や仕事、キャリアへの理解を深める方法

大学1・2年生から始める就活準備とは?自分や仕事、キャリアへの理解を深める方法

多くの学生は大学3年生から就職活動の準備を始めますが、大学低学年の1・2年生のうちから取り組めることはあるのでしょうか。この記事では、低学年から取り組める就職活動準備について解説します。

大学1・2年生のうちから就職活動は必要?

低学年では就職活動そのものより、自分について理解したり、将来について考えたりする時間を持つことが大切です。

3年生になるとゼミナール活動や就職活動準備の本格化で忙しくなり、考えるための時間が減っていく可能性があります。
そのため、余裕のある低学年のうちに自分が学びたいことを深めるほか、「自分は将来、どのようになりたいのか」「自分が今、何に興味関心を持っているのか」「今の自分に何ができるのか」などをじっくり考えていきましょう。
自分の内面を見つめ、将来を考えることが、就職活動で業界・企業を選ぶ際の参考になっていきます。

大学1・2年生におすすめ!自分や仕事について理解を深める方法

大学1・2年生でも取り組める、自分や仕事について理解を深める方法はあるのでしょうか。ここでは7つのおすすめの方法を紹介します。

これまでの経験を振り返ってみる

まずは、これまでの自分の経験を振り返ってみましょう。
「何が楽しかったか」「何にワクワクするか」などのポジティブな感情に加え、「どのようなときに気持ちが落ち込んだか」「悔しいと感じた出来事は何か」など、喜怒哀楽の感情を含めて自分自身を振り返ります。

他にも、高校時代までの生い立ちを振り返る「自分史」を作成するのもよいでしょう。
また、どのようなときに満足度が上がり、不満が募ったかをグラフ化した「ライフラインチャート」を作り、自分に影響を与えたエピソードを探るのも有効です。

このように自分自身の興味関心や価値観を分析することが、自己分析の第一歩となります。

自分の得意・不得意を考えてみる

これまでの経験を振り返ったら、自分の得意・不得意を考えてみましょう。過去の行動のなかにヒントが潜んでいるかもしれません。
得意なことは、「やっていて楽しい」「人から褒められた」「いくらやっても苦にならない」などの経験から探ってみましょう。
逆に不得意なことや苦手なことも洗い出していきます。不得意なことは隠したくなるかもしれませんが、認識しておけば仕事選びに役立つほか「どうすれば改善できるのか」を考えるきっかけになります。

自分の得意不得意を「社会人基礎力」から考えるのもよいでしょう。
社会人基礎力とは、2006年に経済産業省が提唱した「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」です。
「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と、それらを構成する12の能力要素から成り立ちます。

各要素と自分を照らし合わせて、社会で求められている力が自分に備わっているかを確認しておきます。
社会人基礎力については以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。

「社会人基礎力とは?3つの能力と12の要素の必要性と鍛え方」を読む

マイナビでは就職活動前の低学年から広く使え、自分の社会人基礎力を測れる「キャリアデザインツール 適性診断MATCH plus」を提供しています。

どのような業界・業種があるのか調べてみる

世の中にどのような業界・業種があるかを調べてみるのもおすすめです。
仕事について理解を深めたいと思っても、最初は自分の身近なものを意識してしまい、視野が狭くなりがちです。
まずは新聞やニュース、インターネットをチェックすることから始めてみましょう。
継続して見ていくと、世の中の流れや仕事の種類の多さを実感できるはずです。そうすることで今まで知らなかった業界や業種に気付いたり、興味関心を広げるきっかけを得られるかもしれません。

低学年向けの就職・キャリアイベントに参加してみる

低学年向けの就職・キャリアイベントに参加するのも効果的です。
低学年のうちから参加しやすいイベントとして、大学のキャリアセンターが主催する低学年向けの学内イベントがあります。
自分自身のキャリアや働き方を考え始めるための内容が多いので気軽に参加してみましょう。就職やキャリアを意識するきっかけになるほか、参加することで他の参加者から刺激をもらえるかもしれません。

また、卒業生や社会人と交流できるイベントでは、リアルな仕事の話が聞けるメリットに加えて仕事をする意義ややりがい、実際の働き方について知ることができるでしょう。
企業がおこなう就業体験に参加すれば、業務を通じて企業の仕組みや仕事に対する理解がより深まります。

社会人と接してみる

社会人と接する機会を設けるのも方法の一つです。
実際に社会で働いている社会人のリアルな話は、仕事内容を理解するだけでなく、どのような価値観で仕事に取り組んでいるかまで具体的に聞ける貴重な機会です。
初めは両親や兄弟、親戚といった身近な人から話を聞き、徐々に友人や先輩に範囲を広げていくとよいでしょう。

大学のキャリアセンターや就職支援課を訪れてみる

大学のキャリアセンターや就職支援課を訪れるのもおすすめです。

1・2年生でも気軽に書籍や新聞、雑誌などが閲覧できるほか、イベント情報やOBOG情報も入手できるでしょう。
個別相談も可能なことが多く、これまでの経験の振り返りや自分の価値観、進路の話などを聞いてもらえます。

【アンケート】大学1・2年生はキャリアについてどう考えている?

大学1・2年生がキャリアについてどのように考えているのでしょうか。
複数のアンケートをもとに考察した内容を、4つのポイントに分けて説明していきます。

理想の生き方と仕事のバランス

大学 1・2年生の男女を対象に「今後どんな生き方をしていきたいか」を聞いたところ、理想の生き方でトップだったのは「自分の趣味ややりたいことに熱中する生き方」で27.3%でした。このことから、近年は「仕事とプライベートの比重」を意識している学生が増えていることがわかります。

一方、マイナビの「2023年卒大学生のライフスタイル調査」にて理想とする将来の自分像を聞いたところ、「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす」「一生食べていける安定した仕事を持つ」「自分の好きな仕事を一生続ける」が上位3位までを占める結果となりました。

また、人生において優先度の高い要素を見てみると、調査当初の17年卒では「家族」>「仕事」>「趣味」や「自分」の順番だった優先度が、23年卒では「家族」>「自分」>「趣味」>「友情」に変化しています。

こうした調査から、社会人として組織で成果や地位を得ることよりも、安定した仕事で収入を得て家族や自分を大切にしながら自分らしく生きたい傾向が強まっていることがわかります。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「大学生低学年のキャリア意識調査(2021年12月)」
参考:マイナビキャリアリサーチLab「2023年卒大学生のライフスタイル調査」
参考:マイナビキャリアリサーチLab「Z世代・働き方と仕事の価値観とは?【2022年最新調査で考察】」

気になる就職活動関係のキーワード

大学生低学年にメディアやインターネットで話題になったニュースワードのうち、自身の就職活動に影響しそうだと思うものを聞いたところ、全体の1位が「テレワーク/リモートワーク/在宅勤務」で、2位は「働き方改革」でした。

また文理男女別では、上位2位の顔ぶれは変わらず、それぞれの3位は文系男子が「男性の育休」で、理系男子は「就活ルール廃止」、女子学生は文理共通して「女性活躍推進」となりました。

このように、大学生の低学年からニュースワードと自分自身の就職活動の関係を気にしている学生が少なくないことがうかがえます。特に、「リモートワーク」といった入社後の働き方に注目していることから、学生自身が入社後のイメージや望ましい働き方への興味関心を持ち始めていると考えられます。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「大学生低学年のキャリア意識調査(2021年12月)」

結婚・育児と仕事の続け方

結婚後の仕事について、「2023年卒大学生のライフスタイル調査」によると、男子の59.9%、女子の74.5%が「夫婦共働きが望ましい」と回答しています。男女ともに増加傾向にあることから、共働きを希望する学生が増えていることがわかります。
理由としては、「それぞれ自分の仕事を持っていることが自然だと思うから」が最多でした。
理由はさまざまですが、結婚後も仕事を続けて夫婦で収入源を確保しておきたい考えが強まっているようです。

育児については、「育児休業をとって積極的に子育てしたい」女子が7割程度で推移している一方、男子も増加傾向にあります。
また、「育休を取る男性」によい印象を持つ学生も増えています。
将来子育てに関わりたいと考えたときに、「育児休業を取って一緒に子供を育てる」考えが男子学生にも広がっていると考えられます。

いずれの結果からも、「結婚後も共働きで男性も育児参加」という考えが浸透していると推測できます。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「Z世代・働き方と仕事の価値観とは?【2022年最新調査で考察】」

仕事や企業選びでこだわりたいポイント

近年の学生の就職観は「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」「人のためになる仕事をしたい」が上位3項目を占めています。

また、2023年卒学生に調査したところ「大手企業志向」は48.5%で半数を割り込む一方、「中堅・中小志向」は前年比2.9ポイント増の47.8%でした。
ここから、学生は大手企業にこだわらず、その会社でやりがいのある仕事ができることを重要視している傾向が読み取れます。

「企業を選択する場合にどのような企業がよいか」を聞いたところ、最多は「安定している会社」で、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」「給料の良い会社」が続きました。その他、「休日、休暇の多い会社」「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」が前年よりポイントを伸ばしています。

以上の結果から、企業選びをするうえでは安定性や制度面、待遇といった働く環境が整っているかどうかを求めていると感じられます。
とはいえ、どのように考えてどのような仕事人生を歩んでいくのかは、人によって違います。調査を参考に、自分はどのような考えを持っているのか整理してみてもよいでしょう。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「2023年卒大学生就職意識調査」

大学低学年次の就職支援、何ができる?どう接すればよい?

先述したアンケート結果のように、低学年のうちから学生は多かれ少なかれ自分のキャリアについて考え始めています。しかしイメージに留まっていたり、プライベートへの意識が強い傾向もあります。

まずは就職活動と切り離して、学生自身に自分の将来(人生)を考えてもらえるような機会を設けることが大切です。
ガイダンス等を実施する場合は楽しそうだと思ってもらえたり、気軽に社会人と接点が持てたりするなど、学生の興味を引く内容にするとよいでしょう。

自分について振り返る場を設けるほか、自分の将来をイメージできるような社会人の話を聞くことが、結果として自己分析や就職活動の軸づくりに役立ちます。
また、こうしたプログラムの存在が一人でも多くの学生に届くように、広報にも工夫が必要でしょう。学生の目線に立ったアプローチが重要になってきます。

まとめ

大学1・2年生から始める就職活動の準備は、まずは自己理解や仕事理解を深めていくことが中心です。
学生が自分の興味関心を探り、自分の将来を考え、「やってみたい」と思えることに挑戦することが、結果として就職活動の準備につながります。

キャリア・就職支援担当者は移りゆく学生の傾向を読み取り、学生自身が自分と仕事を考える機会を設けてサポートしていきましょう。

マイナビキャリアサポートでは、キャリア・就職支援担当者の皆様の視点に立ち、支援方法など有益な情報発信をおこなっています。
また、マイナビでは学生と社会をつなぐ「START」を展開しています。併せてご覧ください。

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