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「就活が怖い」を解消するには?不安に感じる理由と解消法

「就活が怖い」を解消するには?不安に感じる理由と解消法

就職活動に対して不安や怖さを感じる学生は少なくありません。
ここでは、どのような理由で不安を感じるのか、どのように解消すればよいのかについて解説します。
学生の皆さんは「なぜ就職活動が怖いのか」を見つめ直し、乗り越えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
また、就職活動中の学生を支援する大学のキャリア・就職支援担当者も、どうすれば学生の不安を軽減する取り組みができるかを考えてみる機会にしてください。

就職活動を不安に感じるのはなぜ?どのようなときに不安を感じる?

就職活動中の学生は、就職活動に対してどのようなときに不安を感じるのでしょうか。
ここでは就職活動を進める学生が何に不安を感じるのか、あらゆる角度から解説していきます。

社会人になるのが怖い

そもそも「社会人になること」自体が怖いと感じる人もいるのではないでしょうか。
「自由を奪われるのではないか」と怖れを感じたり、学生時代のような生活は送れなくなり、仕事に追われ責任を負わなければいけない暮らしが始まると思うと不安になったりするかもしれません。また見聞きした情報から「社会人」に対してあまりよいイメージを抱いていない場合も、自分自身で経験していない分、怖いと感じるかもしれません。

就職活動についてイメージがついていない

人生で初めての経験はイメージしづらいものです。就職活動も具体的なイメージができないために不安に感じる場合があります。

また、「どこで評価されるのかわからない」というのも不安の要因として挙げられます。
大学受験までは偏差値という基準がありました。合格点を取るために模擬試験などを受け、足りないところは補うように勉強するなど、一定のパターンがありました。
しかし就職活動では決められた正解がありませんし、評価ポイントは企業ごとに異なります。
そのため「何から手を付けてよいかわからない」と不安に陥り、立ち止まってしまうこともあります。

学業やアルバイトと両立できるかわからない

学業やアルバイトと就職活動が両立できるか不安を感じる人もいるでしょう。
「就職活動をしながら授業やアルバイトをこなせるか」「選考と授業やアルバイトの予定が重ならないか」とスケジュール調整に対して不安を感じる人もいます。
特に研究に打ち込んでいたり、自分で生活費を賄っていたりする場合は、頭を悩ませるかもしれません。

何をしたいのか、何が向いているのかわからない

自分が何をしたいのか、何に向いているのかわからないのも、不安に感じる原因の一つです。
周りがやりたいことが決まってどんどん動いている姿を見て、「自分は何も決まっていない」と焦りを感じ、自分を責めてしまう人もいるのではないでしょうか。
また、自分が社会に出て働くということに対して具体的なビジョンがないため、「この状態で自分の一生を決めてよいのだろうか」という不安を抱えることもあるかもしれません。

何をアピールすればよいのかわからない

エントリーシート(ES)や面接で自分は何をアピールすればよいかわからない場合も、不安や怖れを抱く原因となります。
「自分には誇れるような大きな実績はない」「人に言えるような成果を挙げてこなかった」と、アピールできるエピソードがないと感じ、委縮してしまっているかもしれません。

他の人と比べて自分が劣っているように感じる

先述した「アピールできることがわからない」にも関連してきますが、他の人と比べて自分が劣っているように感じるのも、就職活動が怖くなるケースの一つです。
自分よりも他の学生のほうが優れているように感じて「自分が選ばれるわけがない」と行動を起こす前から不安を抱いてしまったり、実際に就職活動を進める中で内定の数や選考の進度を比べて「自分は魅力がない」と考えてしまったりすることがあります。

自分の実力を試されたり評価されることが怖い

自分の実力を試されたり、評価されたりすることも怖さを感じる要因の一つです。
企業の評価基準は企業ごとに異なりますが、どのような観点から評価されているかはわかりづらいものです。
自分の何を見て、どのように評価されているのかわからないから不安になります。
気にしすぎてしまい選考本番で頭が真っ白になるほか、「これを言ったら評価が下がるかも」と話すのをためらうこともあるかもしれません。

エントリーシートや履歴書の書き方がわからない

企業のなかには、エントリーシートや履歴書から選考を始めます。
書き方がわからないまま自己流で提出し、選考に通らず苦手意識が生まれる人もいるでしょう。また不採用になる怖さから、「どうせ応募書類が通らない」と思い行動できなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。

面接やグループディスカッションなどで緊張してしまう

面接やグループディスカッションなどで緊張することも、怖さを感じる要因です。
大学時代まではある程度、限られた年代との交流が中心でしたが、就職活動では社会人の前で話をすることも増えます。
特に面接はかしこまった、独特の雰囲気の部屋のなかでおこなわれる場合もあるため、慣れていない学生にとっては不安になるでしょう。また「自分の考えをちゃんと話さなければ」と自ら追い込んでしまうと緊張も増幅します。

選考に通らない、内定が取れない

選考に通らなかったり内定が取れなかったりすることも不安を感じる一つです。
特に選考で不採用となると「どの企業からも必要とされていないのではないか」と感じてしまい、自信を失うかもしれません。
気持ちが下がり、「受からなかったらどうしよう」と不安を募らせたまま次の企業の選考を受け、選考結果を知ることが怖くなる悪循環に陥るケースもあります。

会社の社風になじめるかわからない

いざ入社しても、実際に働き始めた際に社風になじめるか不安に感じることもあるでしょう。自分で選んだ会社でも、「労働環境や人間関係が悪い職場を選んでしまっていたらどうしよう」と不安に陥ることがあるかもしれません。

就職活動の不安を解消する方法

ここまで、就職活動への不安を細分化してご紹介しました。それでは、こうした不安をどのように解消したらよいでしょうか。ここでは7つの解消法を紹介します。

情報を収集して具体的にイメージする

就職活動に対して不安に感じるのは、何をしたらよいか、何から始めたらよいかがわからず、漠然としているからです。
まずは情報収集をおこない、就職活動を具体的にイメージできるようにしましょう。

就職活動のスケジュールや内定獲得までにどのようなプロセスが必要か、就職活動の全体像を把握するところから始めます。全体像を把握できれば、自分の現在地や、これから何に取り組めばよいかが明らかになります。

情報収集をする場合は、大学のキャリアセンターを利用するとよいでしょう。就職活動に関する書籍や大学の先輩の就職活動体験記を閲覧することで、就職活動の解像度も上がるかもしれません。
また、自分の希望に沿った結果を出した先輩に話を聞くのも、情報収集の一つとして有効です。

分析と行動を繰り返して「わからない」を減らしていく

就職活動では、「何をしたいかわからない」「何に向いていないかわからない」「どの業界がよいのかわからない」などさまざまな不安が出てきます。
こうした「わからない」を減らして不安を軽減するためには、分析と行動を繰り返すことが大切です。

例えば「何をしたいかわからない」場合は、自分の経験を振り返って思考を整理し、強みを見出せるように自己分析を繰り返します。また「何に向いているかわからない」「どの業界がよいのかわからない」場合は、会社説明会やOBOG訪問、選考など、働く社会人と直接対面して話を聞く機会を設けてみましょう。

小さなゴールを設定しつつ、今の自分にできることから行動し続けるうちに経験値が上がり、不安が軽くなるかもしれません。

試される場ではなく「理解を深める場」ととらえる

先述したとおり、選考の場に対して試されていると感じてしまい不安になる人も少なくありません。
しかし、就職活動の最終目標は、大学受験などのようにテストで高い点を挙げたり、多くの内定を得たりすることではありません。自分に合った企業で働くことです。
そのためには、選考は自分が試される場ではなく、自分と企業が相互理解を深められる場としてとらえることが大切です。

そのように考えることで、「面接は企業に自分を理解してもらう機会であるとともに、自分が企業を知る機会でもある」ととらえられるでしょう。

選考を一方通行のものとしてとらえるのではなく、相互のコミュニケーションとしてとらえることで不安も軽減していきます。

他の学生と比べず、自分の経験に自信を持つ

興味関心や経験、強みなどは一人ひとり違うため、誰かと比べる必要はありません。
企業側も、学生のうちにどれだけ派手で印象的な経験をしたかよりも、学生それぞれが大学時代にどのように頑張ったのかというプロセスを知りたいと考えています。

そのためにも、自分が経験してきたことは自信をもって伝えるようにしましょう。具体的にはエピソードのなかで何を考え、どのように行動したのか、また何を得たのかをメインに伝えるようにします。

選考対策をしたうえで本番に臨む

面接やグループディスカッションといった選考の前に対策をして本番に臨むのも有効です。
対策をせず臨むと緊張から頭が真っ白になり、思ったように話せないことがありますが、模擬面接など実践を通して慣れておくと、本番での緊張も緩和できるかもしれません。
面接やグループディスカッション対策のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「就活の面接対策は必要?効果的な面接練習と質問例」を読む
「グループディスカッションとは?対策と練習方法、評価ポイント」を読む

また練習の際は、第三者に面接官役をお願いして客観的なフィードバックをもらうようにしましょう。大学のキャリアセンターを活用してもよいでしょう。

マイナビでは「模擬面接シミュレーター」というサービスを提供しています。本番のような環境で模擬面接ができるため、本番前の対策としても有効です。
詳しくは以下のページをご覧ください。

順調に進まなくても自分を責めない

「選考に通過しない」「内定が取れない」と、結果が出ないことで自分を責める人もいるでしょう。
しかし、順調に就職活動が進んでいないと自分を責めたり、罪悪感を持ったりする必要はありません。
なぜなら、選考の結果が出ないのは必ずしも自分のせいではなく、面接官との相性や志望業界・企業が自分と合っていない可能性もあるからです。

なかなか結果が出ない場合は何がうまくいっていないかを振り返り、その都度自己分析や企業研究をおこないましょう。また、就職活動による心身の疲労がたまっている場合は、思い切って休むのも有効です。

一人で抱え込まず、周囲の力を借りる

「自分の将来のことだから、就職活動は自分の力で頑張らなければならない」と思う人もいるかもしれません。
自力で取り組むことも大事ですが、悩みや不安が生まれたときは一人で抱え込まず、周囲の力を借りて就職活動の不安を解消しましょう。
誰かに自分の胸のうちを聞いてもらうだけで気持ちが楽になり、自分の考えが整理されるきっかけになります。

例えば、高校や大学の友人や、就職活動をともに頑張る仲間と悩みをわかち合ったり、社会人になった先輩に話を聞いてもらったりしましょう。大学のキャリアセンターに相談するのも有効です。キャリアセンターの個別面談では、自身の話を整理しながら聞いてくれるため、自分が何を怖れているか気付く機会になります。

就職支援担当者やキャリアセンターは、不安を抱える学生をどうサポートする?

ここまで学生が就職活動に対して不安を抱えるポイントや解消法を解説してきました。
では、キャリア・就職支援担当者は学生の不安解消に向けてどのように学生をサポートしていけばよいでしょうか。ここでは、4つの取り組みを紹介します。

「不安を打ち明ける場」として活用できることを知ってもらう

就職活動に対して不安を抱えている学生のなかには、誰に相談すればよいかわからず困っている人もいます。
そこで、まずはキャリアセンターが「就職活動の不安を打ち明ける場」として利用できることを学生に周知していきましょう。

周知をする際は、「不安を打ち明ける」「少し話を聞いてもらう」というスタンスで訪れても問題ないと学生に認知してもらえるように、ガイダンスの実施やメールやSNSなどのツールを活用し、積極的に広報していきます。
もし体制が整っておらず学生一人ひとりの相談に応じることが難しい場合は、不安を解消するためのセミナーを開催してもよいでしょう。

まずは学生の話をじっくりと聞く

就職活動中の学生の悩みや不安は人それぞれです。
まずは活動に向き合う学生をねぎらい、何に不安を感じているのかじっくり話を聞くようにします。その際は学生のペースで話してもらうことを心がけましょう。もしうまく整理できていないようであれば、話しやすいように適宜内容を深堀る質問も投げかけながら不安の原因を探ります。

学生視点に立って考える

学生にとっては初めての就職活動のため、大人からすると初歩的なことですら何もわからない状態かもしれません。
したがって、キャリア・就職支援担当者のみなさまは、学生の視点に立って考えることが重要です。学生はどのような現状なのか、何に困っているのかを把握することが、学生の不安を解消するための第一歩となります。

例えば、学生の不安が「内定が出ない」という場合は、つまずいているのが書類選考か、面接の初期か、あるいは最終面接なのかで、学生に対してできる情報提供は変わります。
だからこそ学生に寄り添って話を聞くことが必要です。

具体的な情報を提供し、行動につなげる

学生が不安に感じる状況や問題を把握できたら、応援し励ますだけではなく情報提供をおこない、学生に行動を促していきましょう。
具体的に何が足りていない状態で、何に取り組めばよいかまで伝えます。そうすることで、「次に何をしたらよいかわからない」という不安は解消できるでしょう。
また、複数の情報を提示できると学生自身で何をしたらよいか考え、自ら行動につなげてもらうきっかけになります。

例えば学生の不安が「社会人になること」であり、「知識不足によるイメージのつきづらさ」によるものと考えられる場合は、実際の仕事について知識を深められるようなセミナーに参加を促すとよいでしょう。
また書類選考に通らないことで悩んでいる場合は、エントリーシートや履歴書の添削を提案し、フィードバックした内容をもとに改善してもらうと次の行動につながります。

学生の次の行動につながるフィードバックを心がける

学生からエントリーシートの添削や模擬面接をお願いされ、フィードバックをすることもあるでしょう。
フィードバックの際、「やってはいけない」「こうでなくてはいけない」という指導ばかりになると学生が委縮してしまう可能性があります。
そのため、「ここが伝わらない」と指摘するだけでなく、自分の思いを伝えるにはどのように表現するとよいかを一緒に考えるなど、学生が自主的に改善していけるようなフィードバックを心がけましょう。

キャリア・就職支援担当者に求められるスキルや知識とは?

不安を抱える学生をサポートするためには、どのようなスキルや知識が求められるのでしょうか。
ここでは、個別相談を受ける場合とセミナーやガイダンスを運営する場合に分けて説明します。

個別相談の場面では、学生と一緒に問題点を整理しながら話を聞ける傾聴スキルが求められます。それ以外にも、学生のニーズに対応できるように、エントリーシートの作成や面接、求人情報収集など就職活動に関する基礎知識も備えておきましょう。

セミナーやガイダンスの運営では、講師として登壇する場合はわかりやすく説明する力が必要です。また、学生が興味を持つイベント内容を企画するスキルや円滑にイベントを進めるファシリテーション力も求められます。

個別相談、セミナー・ガイダンスの運営でいずれも共通して必要な知識として、職業情報や業界情報、学生の募集・採用に関するルール、さらには基本的な労働法制度などが挙げられます。また、学生の個人情報の取り扱いに関しても理解しておきましょう。

就職支援と個人情報の関係性については、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「改正個人情報保護法とは?キャリア・就職支援担当者が知っておくべきポイント」を読む

まとめ

就職活動は学生にとって初めての取り組みのため、「自分は何から始めればよいのか」「誰に相談すればよいのか」と不安に感じてしまいがちです。

学生の不安を受け止め、次の一歩を踏み出せるようにサポートしていくことがキャリア・就職支援担当者の役割です。
「学生の悩みは何か」というスタンスを大切に、相談に訪れる一人ひとりの思いを引き出しそれぞれに合った解決方法を提示できるように支援側に必要なスキル・知識を備えておきましょう。

マイナビキャリアサポートでは、就職活動に取り組む学生だけでなく、大学のキャリア・就職支援担当者のみなさまにも有益な情報を発信しています。今後もぜひご利用ください。

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