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2025年卒の就活スケジュールは?何をいつから始めたらよい?

2025年卒の就活スケジュールは?何をいつから始めたらよい?

2025年3月に卒業予定の学生から、インターンシップのあり方が変わります。それにともない、就職活動の日程にも変化があるのでしょうか。
この記事では2025年3月に卒業を予定している学生の就職活動スケジュールなどについて解説します。

2025年卒の就職活動全体のスケジュール

就職活動のスケジュールは、2018年10月以降は毎年度、政府が「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」を開催し、その年度の大学2年次にあたる学生等の「就職・採用活動日程に関する考え方」を取りまとめて就職活動・採用活動の日程を決定しています。

社会情勢の変化などを考慮しつつ、学生が学修時間などを確保しながら安心して就職活動に取り組めるようにするにはどうしたらよいかを検討し、毎年のスケジュールを定めています。
なお、2025年卒の学生の就職活動スケジュールは2022年11月に開かれた連絡会議で取りまとめられ、2023年3月に関係省庁から経済団体等に対して遵守するように要請をおこなう予定です。

参考:内閣官房「2024 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」

ここからは、就職活動のスケジュールに合わせて取り組むべき内容などを説明します。

2023年4月~:インターンシップ・仕事体験の情報提供開始

マイナビなどの学生向け就職・採用情報サイトは、2023年4月ごろに2025年卒向けサイトをオープンし、順次インターンシップ・仕事体験の情報提供を開始する予定です。

マイナビの「2023年卒企業新卒採用予定調査」によると、6月以降にインターンシップ応募受付を開始する企業が増え、大学の夏季休暇期間である8月~9月に多く実施されていることがわかります。

ただし、インターシップ参加者を募るにあたり、エントリーシートや面接などの選考をおこなう企業もあります。
そのため、学生は4月~6月にかけて選考を意識して応募したい企業の選定をしたり、選考対策を進めるなど、インターンシップに参加するための準備に取り組む必要があるでしょう。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2023年卒 企業新卒採用予定調査」

2024年3月~:企業エントリー・広報活動開始

採用における企業の「広報活動」は、業界情報や企業情報、新卒求人情報等を学生に対して広く発信していく活動を指します。

マイナビの「2023年卒企業新卒採用予定調査」によると、企業のエントリー受付開始で最も多かったのは2022年3月で69.3%でした。
一方で2022年2月以前にエントリー受付を始めた企業は、前年比2.3ポイント上昇し21.1%と増加傾向にあります。

また、採用に直結しない会社説明会・セミナーの開始時期を企業側に聞いたところ、2022年2月以前におこなった企業が50.2%に達しました。
そのうち2021年10月以前に実施した企業が17.5%、2022年2月は13.5%でした。

こうした結果から、一部の企業では採用活動に直結しない説明会やセミナーをエントリー受付開始前からおこなっていることがわかります。
そのため学生は、気になる企業の説明会の日程について把握しておくとともに、3月の広報開始に向けて業界研究や仕事研究を進めながら応募したい企業の方向性を見出しておくとよいでしょう。

2024年6月~:採用選考活動開始

「採用選考活動」とは、一定の基準に照らして学生を選抜することを目的とした活動を指します。選考は、一般的に以下の流れで実施されます。内閣官房の文書では、こうした活動のうち、時間と場所を特定して学生を拘束して行う面接や試験などの活動を「採用選考活動」というと記載されています。

  • エントリーシートの受付
  • エントリーシートの結果通知
  • 適性検査・筆記試験の実施
  • グループディスカッションの実施
  • 面接の実施

採用選考活動開始は卒業・修了年度の6月1日以降と決められていますが、実際はそれよりも早く始めている企業が多いようです。

マイナビの「2023年卒企業新卒採用予定調査」によると、エントリーシートの受付時期は49.7%の3月上旬が最多で、選考結果の通知は、主に3月上旬から4月中旬にかけておこなわれています。
また、適性検査・筆記試験の開始時期は3月が42.9%、4月が22.2%と、この2ヵ月に集中しています。
面接を開始する時期は3月が最も多く37.0%、次いで4月が26.4%でした。

エントリーシート受付開始後は、速いペースで選考が進むことがわかります。いざ活動を開始した後に焦らないよう、エントリーシートの準備や筆記試験対策、面接対策などに取り組んでおく必要があるでしょう。
エントリーシートの書き方や面接のポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「エントリーシート(ES)の書き方は?企業が注目するポイントから考えるESの書き方」を読む
「就活の面接対策は必要?効果的な面接練習と質問例」を読む
「WEB面接とは?準備や当日の流れ、WEB面接に関するQ&Aを紹介」を読む

2024年10月~:正式内定

「内定」とは企業が求職者に対して採用が内定した通知を出すことであり、求職者が承諾した場合に正式に内定承諾となります。
新卒採用の場合は、会社側から内定通知書が交付され、学生側から誓約書を提出する形式が多く取られています。
正式内定の開始日は卒業・修了年度の10月1日以降で、それ以前に出された通知は内々定と呼ばれます。

マイナビの「2023年卒企業新卒採用予定調査」によると、企業の約9割が2022年6月までに内々定出しをしており、選考後すぐに内々定を出す傾向にあると考えられます。

また、10月の正式内定までに辞退者が出ないようにするため、内々定を出す時期にあわせて懇親会実施などの取り組みを始める企業が多い傾向にあります。
他にも誓約書の提出、定期的なメール連絡、人事との面談などをおこなう企業もあります。
2023年卒の場合、2022年5月以前は47.3%、6月からは21.0%の企業がこうした辞退者を減らすための施策をおこなっています。

複数内定を保持している学生は、あらためて自分の価値観と照らし合わせて企業を選ぶことが大切です。迷っている場合は、内定者向けのイベントに参加してみてもよいでしょう。

就職活動・採用市場における近年の動向

就職活動や採用市場において、近年注目されている動向には何があるでしょうか。ここでは4つのトピックスを紹介します。

新型コロナによる就職活動のオンライン化が進む

2020年から広がった新型コロナウイルス感染症の影響で、就職活動のオンライン化が進みました。
当初はコロナ禍でも就職・採用活動を続けるためにWEB形式が導入されましたが、その後も採用活動でWEBと対面を併用する企業が増えました。

「WEB形式で説明会を実施することで遠方の学生にも参加してもらえる」「WEBの導入で採用業務の負担軽減につながる」などのメリットがある一方、「一度も会わないことに不安を覚える学生もいる」といった理由から対面での面接をおこなう企業もあります。
コロナ禍での採用活動の経験を踏まえて、企業側は今後もオンラインと対面のよりよい組み合わせを検討して実施していくと考えられます。

また、コロナ禍は学生にも大きな影響を与えました。緊急事態宣言の発令により大学への入構が制限され、学生生活に制約が出たためです。
これにより「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」がないと悩む学生が増えています。
企業側もこうした背景を配慮し、「コロナ禍で気付いたこと、工夫したこと」「これまでの人生で頑張ったこと」など他の角度から質問して学生の人柄を理解する工夫をしていますが、不安があれば早い段階で自己分析や経験の振り返りを始め対策していくとよいでしょう。

インターンシップのあり方が変わる(三省合意)

2023年度に大学3年生および大学院修士1年生を迎える学年から、インターンシップのあり方が変わります。

「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、企業と学生のマッチングを高めつつ、学生がキャリアを主体的に考えられるように、「学生のキャリア形成支援活動」を4類型に分類しました。
そして文部科学省・厚生労働省・経済産業省は、2022年6月改正の「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進にあたっての基本的考え方(三省合意)」を発表し、以下の4類型について記載しました。

  • タイプ1:オープン・カンパニー(業界・企業による説明会やイベント)
  • タイプ2:キャリア教育(大学などの授業・講義や企業による教育プログラム)
  • タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ(職場における実務体験)
  • タイプ4:高度専門型インターンシップ(特に高度な専門性を要求される実務の職場体験)

このうちインターンシップに該当するのは、「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」と「タイプ4:高度専門型インターンシップ」です。
「質の高いインターンシップ」の普及を目指し、職場での業務体験が必須などの条件が記載されています。また、採用活動開始以降に限り、取得した学生情報を活用できるようになります。

なかでも多くの大学生にかかわってくるのが「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」です。学業との両立の観点から夏休みや春休みなどの長期休暇期間中に5日間以上で実施されます。
また、1日完結型のプログラムはインターンシップに含まれず、企業による説明やイベントは「タイプ1:オープン・カンパニー(業界・企業による説明会やイベント)」に該当します。

インターンシップの動向や4類型については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

「インターンシップとは?種類と参加時期、メリットや今後の動向」を読む

専門人材の採用スケジュールが変更される予定

2026年卒業予定の大学1年生および大学院修士課程に進む可能性のある大学3年生から、就職・採用活動のスケジュールが見直される見込みです。
具体的には、人工知能(AI)やデータ分析などを習得した専門性の高い人材を対象に、就職・採用活動日程の前倒しが検討されています。

理由として、ITなどの成長分野で中核を担う人材を確保することが、企業の成長力を左右する時代に入ったということが考えられます。
また、通年採用をおこなう外資系企業などとの人材獲得競争でも各企業が平等に採用活動ができるように整備するという狙いもあります。

参考:内閣官房「2024年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」

ジョブ型雇用の導入を検討する企業が増えている

日本で主流の「メンバーシップ型雇用」は、業務内容を限定せず採用し、入社後に適性を見て各業務に配置するというものです。
これに対して「ジョブ型雇用」は、職務内容や勤務地、時間などの条件を「ジョブ・ディスクリプション」(職務記述書)で明示したうえで雇用契約を結び、就業者は契約の範囲内の業務にあたるという雇用形態です。

近年、日本でもジョブ型雇用を取り入れる企業が増加している傾向にあります。
その背景には、国内経済の動向やグローバル化によりメンバーシップ型雇用の維持が難しくなっていることが挙げられます。日本経済団体連合会も、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用を合わせた雇用システムへの移行を提起しています。

ジョブ型雇用に対する企業の動向や学生の興味関心などについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「ジョブ型雇用とは?メンバーシップ雇用との違いや企業・求職者のメリット・デメリット」を読む

就職・キャリア形成支援におけるスケジュール作成のポイント

ここまで2025年卒の就職活動スケジュールについて解説してきました。それでは、就職・キャリア形成支援をおこなうにあたってどのようなスケジュールで進行すればよいのでしょうか?

まずは大学の行事やインターンシップ実施時期、就職・採用スケジュールなどから就職活動の全体像をつかみます。
そして、前年の学生や企業の動きを踏まえながら、講座やセミナー、学生の個別面談の日程を組み、学生が各フェーズごとに余裕をもって取り組めるようにする必要があります。

特に企業と学生の動きは、政府が要請するスケジュールよりも少しずつ早まっています。そのため前年の動きをなぞるだけでなく、現在の企業や学生の動向についても情報収集しておきたいところです。

例えば大学3年生の3月上旬にエントリーシートの提出が集中する場合、2~3月は学生からの相談に対応できるよう体制を整えておく必要があるでしょう。
また、インターンシップ参加者には3年生前期から、参加できなかった学生に対しては後期の早い段階で自己分析やエントリーシート作成の講座を受講してもらうなどの支援計画も立てておきます。
同時に学生の参加状況を見ながら追加の支援策を取り入れるなど、柔軟な対応が求められます。

スケジュール作成のポイントについては以下の記事でも触れています。ぜひご覧ください。

「年間計画|スケジュール作成時に意識したいこと」を読む

まとめ

2025年卒までは、現行どおりのスケジュールで就職活動が進むでしょう。しかし2026年卒からはAIやデータ分析などを習得した専門性の高い人材を対象に、就職活動の日程が変わる可能性があります。
キャリア・就職支援担当者は学生や企業の動向ををキャッチし、次年度以降のスケジュール作成に活かしていきましょう。

マイナビキャリアサポートでは、キャリア・就職支援担当者の皆様が就職活動支援計画を立案する手助けができるように、今後も変化する可能性の高い就職活動のスケジュールなど参考になる情報を発信しています。今後もご活用ください。

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  1. 2025年卒の就活スケジュールは?何をいつから始めたらよい?
  2. 年間計画|スケジュール作成時に意識したいこと
  3. マス対応|多くの学生への周知
  4. 個別対応|学生相談で気を付けたいこと
  5. 情報発信|学生への発信内容で工夫したいこと
  6. 企業対応|どのような対応が適切か