「マイナビの裏側」は、マイナビが企画・運営しているサービスについて、企画開発担当者に話を聞くシリーズ。今回は、学生の社会的、職業的自立に貢献したキャリアデザインプログラムを表彰する日本最大級のアワード「学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード」について。今後はより社会にその存在感を強めていくといいます。キャリア自律の時代だからこそ、ファーストキャリアのタイミングで、学生が深い職業観を築いていけるプログラムをさらに増やしていきたい。その考えに多くの大学や企業の方々に共鳴いただきたいという想いが、そこにはあるようです。アワードから、社会に大きなうねりをつくっていきたいと第7回実行委員長である久保は力強く語ってくれました。
Profile
久保 潤一郎
株式会社マイナビ 学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード 実行委員長
2006年、株式会社マイナビに入社。兵庫での企業開拓や採用支援を経て、東京で大手企業の新卒採用コンサルティングに従事。企画開発の部署を経て、再び大手企業支援を担当。現在は、大学支援推進部門で学生向け企画開発の指揮を執っており、第7回キャリアデザインプログラムアワード 実行委員長にも就任。
アワード発足時の想いとこれまでの変化
―第7回から「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」の実行委員長に就任されたと伺いました。アワードへの考えや想いをお聞かせいただけますか。
じつは、企画開発の部署にいた際、このアワードの立ち上げに携わっていました。そのため、実行委員長への就任は驚きもありつつ感慨深いですね。当時はインターンシップがまさに社会へ広がっていくタイミング。しかしながら、ただマーケットを拡大させていくだけでよいのか。学生と企業と向き合うマイナビだからこそ、ここでインターンシップの意味を深掘りしておきたい。それが就職活動にかかわる事業者としての社会的責任だという議論がありました。
そのため私自身も、採用領域だけではなく、多様な分野の取り組みを調査するなど、インターンシップの質を高める施策を模索しました。その結果、導き出されたのが、学生たち自身にインターンシップを評価してもらうアワードだったんです。現在は「キャリアデザインプログラムアワード」という名称ですが、当時は「インターンシップアワード」と呼んでいました。
―なるほど。では、その発足時から現在に至るまでの変遷を教えてください。
第1回は2018年に開催し、全国より247法人297プログラムのご応募をいただきました。
第2回は、前回の結果から尺度検証軸として「キャリアの焦点化」「キャリアの展望化」「人的ネットワークの認知」「就労意欲」「自己理解」を導入。インターンシップを見る視点が明確になりました。
第3回から、大学の授業や課外活動におけるインターンシップを表彰する「文部科学大臣賞」を新設。教育効果への注目度を向上していきました。
第4回は全国より421法人523プログラムのご応募まで増加し、認知の広がりを感じましたね。
第5回では内閣府後援で地域にフィーチャーした「地方創生賞」を新設。
そして前回の第6回は三省合意改正によるインターンシップ定義変更のため「キャリアデザインプログラムアワード」とアワード名を変更しました。そして、5日間以上のプログラムという点も重要視されるようになり、全国より694法人770プログラムのご応募まで拡大。また、株式会社麦の穂、椙山女学園大学の連名での大賞受賞も画期的でした。大学法人の大賞受賞は初でしたしね。
「アワード大賞|産学連携で取り組むキャリア教育のこれからのカタチ|株式会社麦の穂・椙山女学園大学」を読む
「文部科学省|質の高いインターンシップが変わりゆく時代でも生き抜く力を育てる」を読む
応募法人と応募内容が注目される機会を増やしていく
―では、こうした変遷も踏まえ、第7回はどのようなアワードにしていきたいでしょうか。
年々、本アワードへの認知や関心の高まりを感じています。一方、たとえば当社のメディアであるマイナビ2024は約30,000社(2023年10月時点)の企業に掲載いただいていますし、大学も全国に約800校ある。つまり、アワードに参加いただいている方々はまだほんの一部。有意義なプログラムがまだどこかで眠っているかもしれませんし、そうしたプログラムを発掘していくためにも、さらに多くの方々に参加いただき、大きなうねりにしていきたいですね。
しかし、私も営業職として企業に向き合ってきたのでわかるのですが、応募手続きには相応のパワーが必要です。プログラム内容やその効果などを詳細に記し、申請しなければなりません。だからこそ、アワードに応募、受賞したことがもっと社会的に評価されるようにしたい。
そのため、第7回は影響力を高める施策を大きく2つ投じます。1つ目は「学生推奨プログラム」の新設です。そもそも受賞プログラムは学生たちが選定し、そこから有識者が選抜するため、学生が選んだプログラムでも日の目を見ないものが多数ありました。今回は、こうした学生が選んだプログラムも採り上げていきます。30プログラム前後が新たに掲げられることになるでしょう。コンセプトである「学生が選ぶ」という側面も強められると思います。
そして2つ目は、日本経済新聞社と当社が共同で発表している「就職企業人気ランキング」と発表日を合わせます。経営層からも非常に注目度が高い人気ランキングが発表される日経新聞広告枠で、本アワードの受賞結果を発表することによって認知がさらに高まり、受賞法人にとってもプレゼンス向上につながればと考えています。ちなみに、この施策実施のため、応募スケジュールが例年より1か月前倒しとなり、応募締切が12月22日となりますがご理解いただけますと幸いです。
「第7回「学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード 2024」応募受付中!」を読む
キャリアプログラムの質の向上に貢献したい
―ここまでマイナビがアワードに力をいれる理由はなんでしょうか。
新卒採用に携わる企業として、学生と企業のマッチング精度を高めることはミッションだと意識しています。ただ、現代はキャリア自律の時代ともいわれるように、一つの会社に長く勤める良さだけでなく、転職や起業などキャリアの選択肢が広がり、キャリアチェンジの機会は増えていくはずです。だからこそ、大学時代にもっとキャリアを自律的に考える能力を養ってほしい。たとえば、インターンシップなどのキャリアプログラムを通して他者とコミュニケーションを取りながら課題解決する経験をする。それによって自分の得意不得意を認識したり、職業観を深めたりしてほしいと考えているのです。
このアワードにご協力いただいている多摩大学の初見先生の調査でも、大学時代にキャリア形成活動に前向きだった学生は、就職後のワーク・エンゲージメントが高いという結果もありました。そして、こうした大学時代に参加する企業・大学のキャリアプログラムの質を高める上でも、このアワードがもっと貢献できるものになればと思っているのです。
「学生たちが「キャリア自律」の時代を歩んでいくために|多摩大学 初見准教授」を読む
大学の理念や活動を伝え、自己点検できる機会に
―前回の大賞が大学だったこともあり、今回はより多くの大学からの応募も期待したいですね。
そうですね。大学に応募いただくことで、学生への職業観涵養や就職活動支援という域を越えて、教育的効果という面にもスポットが当たることを大いに期待します。大学ならではの教育理念やポリシーに基づいた個性的なキャリアプログラムで賑わうとうれしいですね。
もしかしたら、応募にあたり躊躇される方もいるかもしれませんが、有名企業と組んだとか、多大なコストをかけたとか、そういうプログラムだけが評価されるわけではありません。プログラムを通して高い解像度で事業や業務を理解することができたか、社風や社員の雰囲気を感じることができたか。そこを学生は見ています。何度も受賞されている企業にお話を聞いたのですが、「採用のためというより、学生にいろいろな経験をしてもらいたいという想いで実施している」と。やはり、そういう裏表のない考えが審査する学生にも伝わるようです。事前、事後学習のポイントや、企業と協働することでどのような教育効果を果たそうとしたのか。そのような点を強調して応募いただけるとよいかもしれません。
また、受賞大学からは「プログラムの自己点検になった」「キャリア支援の考え方や理念を広く示せた」といった感想も伺いました。自分たちの取り組みが大学内外で再評価され、次年度の実施がよりスムーズになったという副次的効果もあるようです。大学の皆さまにおかれましては、日々、さまざまな取り組みで学生の成長を支えてくださっていると思います。本アワードを、その想いや工夫を伝える機会として活用いただけますと幸いです。多くの良質なプログラムに出会えることを楽しみにしています。
「第7回「学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード 2024」応募受付中!」を読む
Editor’s Comment
「学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード」第7回から実行委員長を務める久保へのインタビューでした。アワードの変遷をたどると、社会の動向や大学・企業の動向と繋がっていることが感じられました。
2023年12月22日(金)応募〆切の第7回、多くの大学の皆さまが応募にあたって検討されることとおもいます。注目度が上がるこのタイミングで、ぜひ皆さまがご尽力されているプログラムについてご応募されてみませんか?
ご不明点ございましたらお気軽に貴校担当のキャリアサポーターにお問い合わせください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております。(マイナビ副編集長:谷口)
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