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大学事例|学長自ら旗振り役となり大学1年次から始めるキャリア教育・就職支援|摂南大学

摂南大学は1975年に工学系の単科大学として開学し、現在では寝屋川と枚方の2キャンパスに文理合わせて8学部を展開する総合大学です。教育の特徴として、学生が自ら主体的に学ぶアクティブ・ラーニングを重視しており、キャリア支援・就職支援においても、大学1年次から様々なプログラムを用意し、学生たちの意識を徐々に高める環境を整えています。今回は、こうした取り組みの狙いやそれぞれの年次ごとのポイントなどについて、就職部の今井氏・新田氏に詳しく伺いました。

Profile

今井 起代
摂南大学 就職部
1995年に学校法人大阪工大摂南大学(現:学校法人常翔学園)の職員として入職。人事や会計、高校事務室などの職務を経て、2016年4月から摂南大学の就職部へ。現在は、寝屋川キャンパスにて就職部の統括業務を担当しながら、理工学部と文系学部の就職支援に携わっている。

新田 篤史
摂南大学 就職部
2004年に学校法人大阪工大摂南大学(現:学校法人常翔学園)の職員として入職。大阪工業大学、摂南大学のそれぞれで入試部、学部事務室などを経験。2021年4月より摂南大学の就職部に異動し、現在は、理工学部機械工学科および電気電子工学科を担当に持ち、日々学生たちと向き合っている。

就職部と学部が協力し、段階的に意識と実力を高められる仕組みに

―まずは、摂南大学のキャリア支援の特徴についてお聞かせください。

今井氏:摂南大学ではここ数年、学長自らが旗振り役となり、全学を挙げたキャリア教育や就職支援の質と量の向上に力を入れています。最も大きな特徴は、大学1年次から段階的なステップを用意していること。1年次は、卒業後の自分をイメージしてもらうことで、まずは学生が大学で学ぶモチベーションを高めてもらいます。そして2年次に、自分にとって「働くとは何か」ということを考えてもらい、3年次になったら学生自身がある程度の進路の方向性を定められる状態を目指しています。その上で、4年次にそれぞれの希望進路に就くための就職活動にスムーズに移行できるように支援しています。

―なるほど。しかし、低年次から取り組むとなると学部との協力も欠かせませんね?

新田氏:そうですね。とくに、1~2年次のキャリア教育はカリキュラムとして組み込んでいるため、学部の協力が不可欠です。そして、学生全体のキャリアに対する意識を高めた上で、私たち就職部は3年次の学生を中心に個々の支援に力を入れています。また、就職部でも2022年度から大学2年次を対象とした希望制の「就活力育成実践講座」を開講するなど、常に時代の変化に合わせたフレキシブルな対応を心がけています。

状況の変化や学年ごとのカラーに応じ、その年ならではの支援を行う

―ちなみに、それぞれの学年ごとにキャリア教育や就職支援を行う上でポイントはありますか?

今井氏:はい。学年によってキャリアや就職に対する意識が違うのは当然なのですが、同じ3年生でもそれぞれの入学年度によってカラーがありますし、学生たちを取り巻く状況も常に変化しているため、その年に最適な支援を行なっていく必要があります。

たとえば、2022年卒の学生は新型コロナウィルス感染症の影響もあり、学生たちは就職活動でも情報収集に苦戦していました。また、学生同士で横のつながりを築く機会や他大学との接点を持つことで刺激を受ける機会も少なく、孤独や不安を抱える学生も多かったですね。そういった背景から、2023年卒以降の学生では「対面での支援」を重視し、就活市場の状況も敏感にウォッチしながら対応しています。ちなみに、2024年卒の学生はキャリアに対する意識が高いように見受けられます。こうした年ごとの違いも考慮しながら、かつパラレルに進めていくことが重要なのではないでしょうか。

大手企業のインターンシップ参加を目指す、就活力育成実践講座

―では、次に。先ほど登場した「就活力育成実践講座」について詳しく聞かせてもらえますか?

今井氏:これは、私たちにとっても一つの挑戦です。学部側のキャリア教育のカリキュラムとは別に、2022年度から就職部として大学2年生を対象とした約1年半の新しいプログラムを開講します。希望制にはなりますが、就職やキャリアに対する意識の高い学生に早めにアプローチをかけることで、大学3年次の大手企業へのインターンシップの参加率を少しでも高めることができたらと考えています。というのも、大手企業の場合、インターンシップでさえも競争率が高く、選考に応募し、通過すること自体が容易ではありません。そこで、少しでも早い時期から準備し、いざ3年次のインターンシップの選考段階で臆することなく応募できる就活力を磨いてもらいたいと考えています。

―具体的には、どのようなプログラムになるのですか?

新田氏:この就活力育成実践講座については、学長自らがプログラム設計に関わり、学生の自己肯定感と挑戦心を上げられるように工夫しています。また、じつはプログラム設計にあたり、マイナビさんの力もだいぶ借りています。大手企業のインターンシップ参加を目標とした場合、学生にどのような就活力が必要となるのか。大手企業の採用活動にも精通したマイナビさんの持っている知見は、私たち大学側にとっても有益な情報です。

まだ、現段階ではすべての内容が決定しているわけではありませんが、大学2年次の5月からスタートし、大きく3期に分けて構成しようと考えています。まず、第1期では「自分を知る・相手(企業・業界)を知る」。毎回、課題を出しながら、学生たちに主体的に調べ、学んでもらいます。そして、2年次の後半となる第2期では「他流試合」ができたらと思っています。その名の通り、他大学の学生との交流です。ディスカッションなどを通して、自分の足りない部分や逆に自分の強みとなる部分を見つけてもらいたい。そして、第3期はインターンシップの選考に向けた最終段階。それぞれの学生が自らの「ガクチカ」を自分自身でまとめ上げ、プレゼンテーションできるくらいの力が付いている状態を目指しています。

面白がりながら、知らず知らずのうちに力が身につく支援を行いたい

―他流試合というのは面白い発想ですね?

新田氏:ありがとうございます。この1~2年間は新型コロナの影響もあって叶いませんでしたが、やはり学生たちを見ていると、同世代の仲間と切磋琢磨することが一番の成長につながるように感じます。他流試合ではチーム戦のような形でキャリア支援の場を設けたいと考えているのですが、こうした試合形式にすることで学生たちは面白がりながら取り組むことができると思うのです。

また、チーム戦にすることで、学生一人ひとりがチームの中で「自分はどんな役割を果たすべきか」といったことも考えるようになるはず。これは、企業で働く上でも重要な意識だと思います。そして、何より、面白がりながら、知らず知らずのうちに力が付いているということが大切です。結局、面白いと思えることでなければ、学生も続けたいと思いませんからね。


―「知らず知らずのうちに就活力が身につく」というのは素敵なコンセプトですね。では、最後に今後の目標と全国のキャリア支援・就職支援ご担当者様に向けてメッセージをお願いします。

今井氏:学生を取り巻く環境の変化や、学生個々の特性に応じた就職支援のあり方に正解はありません。だからこそ、私たち自身ももっとメンバーでアイデアを出し合い、試行錯誤しながら、学生一人ひとりが目標や目的を持って充実した学生生活を送り、納得ゆく進路を選択できるようサポートしていきたいですね。

また、全国で同じように頑張っている皆さんとは、ぜひ、情報交換を活発にさせていただけたらと思います。それぞれの大学ごとの素晴らしい取り組みをもっと知りたいですし、学生同士の他流試合も一緒に行うことができたらと思っています。どうぞ、お気軽にご連絡ください!

Editor’s Comment

新卒採用が成功している企業に秘訣を訊くと「全社一丸となった採用活動」という言葉を聞きますが、今回の摂南大学さんからも「大学一丸となって学生のキャリア形成を支援している」という印象を受けました。
また、「今」の学生をしっかり見つめ、その学年・学生に合わせたプログラム提供、そして学生の成長可能性、将来の活躍を願って、既成概念にとらわれない産学連携プログラムの開発など、キャリア支援を進化させているとも感じました。
(マイナビ編集長:高橋)

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