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【チェックシート付】学内イベントへの学生集客の方法は?集まらない原因や動員対策の成功事例を紹介

【チェックシート付】学内イベントへの学生集客の方法は?集まらない原因や動員対策の成功事例を紹介

将来を考えるきっかけにしてもらおうと、多くの大学では学生を対象にキャリアや就職活動に関する複数のイベントを開催しています。こうしたイベント開催にあたり特に気になるのは、学生の動員対策です。

実際に支援をおこなうキャリア・就職支援担当者のなかには、学生がなかなか集まらないことに難しさを感じる人もいるのではないでしょうか。この記事では学内イベントの動員対策について、学生が集まらない理由や動員対策のコツを解説します。

最後に、動員対策をおこなう際に押さえておきたいポイントをまとめた「大学教職員向け動員対策チェックシート」についてご紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。

学内イベントの動員対策に悩んでいる大学は多い?

大学内でおこなわれるガイダンスや講座、説明会などの就職・キャリア関連のイベントへどのように学生を集めたらよいか、頭を悩ませているキャリア・就職支援担当者は多いのではないでしょうか。

「マイナビ 2023年度キャリア・就職支援への取り組み調査」によると、2024年卒学生向け就職ガイダンスの延べ参加人数を全期間で見たところ、最多は「前年度並み」の52.6%でした。「増加」は18.2%と前年比マイナス10.0ポイントとなった一方、「減少」は29.1%で、前年比プラス8.8ポイントという結果となりました。

加えて、「キャリア支援・就職支援に関して、特に知りたいとおもう情報」を聞いたところ、46.9%が「学内イベントの動員対策」を挙げていました。

こうした結果から、キャリア・就職支援の現場で学生の動員対策に悩む大学は多く、どのように動員対策をおこなっていくかが、さらなる課題となっていることがうかがえます。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2023年度キャリア・就職支援への取り組み調査

イベントに学生が集まらない理由

多くの担当者が頭を悩ませるイベント集客。イベントに学生が集まらない理由は複数存在しますが、多くはイベント側(運営側)と学生側の双方に原因があると考えられます。
ここでは、イベントに学生が集まらない理由について、運営側と学生側それぞれの要因について説明します。

イベント側(運営側)の要因

まずは、イベントを開催する運営側の要因を4つ紹介します。

イベントの存在が認知されていない

動員がうまくいかない要因の一つに、「学生に情報が届かず、イベントそのものが認知されていない」というものが挙げられます。

学内ポータルサイトや全学メールなどの単一チャネルでの告知にとどまるケースも多いのではないでしょうか。学生にとって使いやすいチャネルは一人ひとり違います。イベント当日までに多くの学生に確実に情報が届くよう、複数のチャネルを活用していく必要があるでしょう。

イベントの内容やメリットが伝わっていない

「イベントの内容やメリットが学生に伝わっていない」ということが原因で動員できなかったケースもあります。
例えば対象者が明確になっていなかったり、講座のタイトルからイベント内容を想像しづらかったりすると、学生に興味を持ってもらえない要因になります。
イベントについて告知する際は内容と参加メリットをはっきりさせ、齟齬なく伝わるようにしましょう。

必要だと感じてもらえていない

学生に「イベントそのものの魅力や必要性」を感じてもらえないことも、動員につながらない理由の一つです。

例えば2年生向けにイベントを実施した場合、学生の就職活動に向けた意識が醸成されていないと「自分にはまだ早い」「魅力を感じない」と学生が参加を見送るケースがあります。
一方で自主的に就職活動に取り組んでいる学生からは、「すでに知っている」「学外のイベントに参加したから必要ない」と参加しない場合もあるでしょう。また、「意識が高い人だと思われたくない」と周りの目を気にして参加しない学生や「単位取得につながらないなら参加しない」という学生まで一人ひとりの考えは多様です。

マイナビの調査では、2024年卒学生の就職ガイダンスの延べ参加人数が「減った理由」について「情報収集ツールの多様化により、需要が減っている」という声も上がりました。
オンラインで同様のコンテンツが学外に多数存在することで、学内セミナーの差別化が難しくなりつつあるという見方ができます。

また、学生にとって独自性のある内容でなければ参加する意義を見出せず、参加につながらない可能性もあるでしょう。イベントの魅力や独自性が十分学生に伝わっているかというのも、動員対策を考えるうえで必要な観点です。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2023年度キャリア・就職支援への取り組み調査

参加しづらい開催日時や場所になっている

参加しづらい日時や場所での開催も、学生が集まらない理由に挙げられます。これは学生自身が必要なイベントだと理解しているものの、都合がつかず参加できないケースです。

イベントまでの告知期間が短いと、日程を知っても「他の予定と重なっている」と参加を見送られるかもしれません。また、オンラインでの開催はどこからでも参加できるメリットがありますが、学内から参加しようとするとインターネット環境が整った静かな場所が確保できず参加しづらいということもあります。

一方、休暇期間中にオフライン開催にすると帰省する学生の参加が難しくなります。
また、なかには参加予約をしたにもかかわらず「急用が入った」「日時を失念してしまった」と欠席する学生もいるでしょう。

学生側の要因

次に、学生側の要因を2つ紹介します。

就職活動への意識が二極化している

学生の就職活動に対する意識や動き出しのタイミングが二極化していることも、イベント集客が難航する要因の一つです。

コロナが落ち着き始め、企業の採用意欲が活発化し、就職環境も好転してきました。そのため安心感を持った学生の動き出しが遅くなり、参加意欲の低下につながっている可能性があります。
一方で、早めに動いている学生にとっては、ガイダンスの実施時期までにしっかり知識を得て、方向性を決めている可能性もあります。「今回のイベントに参加する必要はない」と考え、参加を見送っているかもしれません。

こうした二極化もイベントへの参加率に影響していると考えられます。

ガイダンス以外から情報を入手している

学生がガイダンス以外からも情報を入手できるようになったのも、動員につながらない要因に挙げられるでしょう。
インターネットで手軽に情報収集することが当たり前になり、通学や授業の空き時間などを利用してインプットしている学生も多いでしょう。

そのため、「時間を調整してまで学内のイベントに参加する必要はない」と考える学生も一定数いると考えられます。

学内イベントへの集客をおこなう際の基本的な考え方

ここまで、学生が集まらない背景をそれぞれ解説していきました。次に、こうした背景を踏まえて、イベントの集客をおこなっていく際の基本的な考え方を紹介します。

学生の課題に寄り添っているか

まず、学生の課題に寄り添ったイベントになっているかが重要です。学生の属性は文系や理系、大学院生、留学生、体育会やサークルに所属している学生、公務員志望者など多様です。属性が違えば課題やニーズも変わります。丁寧なリサーチをおこない、それぞれの学生に必要なコンテンツを提供していきましょう。

学生に参加するメリットを伝えているか

「イベントに参加するメリットを学生に伝えられているか」も非常に重要です。
前述したとおり、参加を見送る学生のなかにはイベントの魅力が伝わっていないケースがあるためです。

メリットを伝える際には、学生の気質に合わせて表現を選ぶとよいでしょう。
例えば、心配性な学生には「成功・失敗事例を知ることでしっかり準備できるよ」など前向きにメリットを伝え、のんびりした学生には「就職活動準備で出遅れないように早めに動き始めよう」と促すなど、工夫して伝える必要があるでしょう。

学生が参加しやすい形態・日時に設定できているか

参加するメリットが伝わっても、学生が参加できない形態や日時で開催してしまっては多くの動員は望めません。
学生は授業への出席を優先させることが基本となるため、曜日や時間を変えて複数回実施するほか、授業の実施形式に合わせて対面かWEBかを決めることなども視野に入れておきましょう。

広報チャネルは何があるか、それは適切か

大学のキャリアセンターで情報発信する際に使う広報チャネルはどのような種類があり、効果的な広報につながっているか確認することも必要です。
チャネルとしては学内ポータルサイトなどへの掲載、メールやSNS、はがきなどの通知、チラシなどの掲示や配布、学生本人への直接の声かけなどが挙げられますが、発信するタイミングによって動員の効果は変わってきます。

適切な発信タイミングはいつなのか、どの広報チャネルが適しているか常に効果測定しておくようにしましょう。

情報が学生に届いているか

情報が学生に届いていないのも、動員につながらない要因です。キャリアセンター側から一方的に発信するだけでは、学生の行動につながるとは限りません。発信した内容を読んでくれているか、タイトルでイベントの内容を想起してもらえるか、伝えたい内容が学生の心に刺さるか、クチコミが広がりやすい内容かまで考えたうえで、動員対策をおこなうことが求められます。

振り返りをおこなっているか、PDCAを回しているか

イベント開催後は必ず振り返りをおこない、PDCAを回すようにしましょう。
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の各頭文字をとったものです。

まずは、動員目標に対して達成した要因や達成できなかった原因をしっかり分析して、次回に活かせるところはないか、改善すべきことはないか考えることが大切です。
もしこれまで動員目標を設定していなければ、設定し関係者に共有するところから始めるのもよいでしょう。

【調査結果】学内イベントへの集客方法と効果的な施策

「マイナビ 2023年度キャリア・就職支援への取り組み調査」にて「動員対策で効果が高かった施策」を調査したところ、上位5位は以下のような結果となりました。

順位効果が高かった施策昨年
順位
1教員への情報共有2
2メール配信1
3学内ポータル掲示3
4告知はがき郵送4
5紙チラシの学内掲示や設置5

「教員への情報共有」が40.8%と、昨年の2位から1位にランクアップしました。
続いて2位にメール配信、3位に学内ポータル掲示、4位に告知はがき郵送、5位に紙チラシの学内掲示がランクインする結果となりました。

傾向として、教員や保護者といった信頼できる大人からの働きかけが効果的であるほか、学生の行動パターンから目に触れやすい場所で繰り返し情報を露出することが参加率アップにつながっているといえます。

ここからは、効果が高かった施策についてそれぞれ詳しく解説していきます。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2023年度キャリア・就職支援への取り組み調査

教員への情報共有

最も効果が高かったと票を集めたのが「教員への情報共有」です。
具体的にはまず、ガイダンスや学内セミナーなど、学生に出席してほしいイベントなどの情報を教員に共有します。
そして、授業やゼミナール、その他の連絡ツールでの告知に協力を依頼し、学生に直接参加を促してもらいます。

学生にとって信頼できる大人からの促しは参加の動機付けにつながるため、動員対策にも有効です。

また、授業内でチラシなどを配布してもらうほか、学生のイベントへの出欠席を取りまとめてもらうケースもあります。キャリア・就職支援担当者は、教員とこまめにコミュニケーションを図るようにしましょう。

学内メールでのイベント告知

次に効果があったといわれているのが、大学に登録している学生のメールアドレスにイベントの開催案内を告知する施策です。
早めに開催案内をおこない、学生に講座の予定を事前に確認してもらえるようにします。
また、定期的なリマインドメールの送付は学生が講座を失念することを防ぐだけでなく、参加を検討する学生の掘り起こしも期待できます。

マイナビでは、大学のキャリア・就職支援担当者から学生宛てにマイナビ上でメール配信できるサービス「マイナビ学生集め~る」を提供しております。「学内ガイダンス」や「内定状況調査」など各種連絡ツールとして活用も可能です。
詳しくは以下をご覧ください。

大学のポータルサイトやSNSでの告知

この他に有効な取り組みとして挙げられているのが、学内ポータルサイトやSNSでの告知です。
ポータルサイトは履修登録や休講情報など学生生活に必要な情報を閲覧できる学生個人用サイトで、学生も大学内の情報を収集するためにチェックする機会が多いでしょう。
イベントのお知らせを掲示するのに活用するほか、ポップアップバナーを表示させて学生の目に留まるようにすると効果的です。

また、キャリアセンターなどが展開するSNSでの告知も有効です。たとえ、SNSアカウントをフォローしていない学生であっても、友達が拡散・共有することで認知してもらえる可能性があります。メールや学内ポータルサイトを見ない学生が目にする可能性もあるでしょう。
更新頻度を上げて、告知投稿の回数を増やすと動員対策の効果が高まります。

はがきの送付

はがきの送付も、効果が高かった施策の一つとして挙げられました。
どうしても参加してもらいたいガイダンスなどは、告知のはがきを自宅へ郵送するのも効果があります。

本人が見るだけでなく、目にとまった保護者から参加の促しが期待できるためです。一人暮らしをしている学生の場合は自宅だけでなく、保護者宛てにもはがきを郵送し、学生に参加の促しを依頼してもよいでしょう。

大学内にチラシや広告を掲載

コロナ禍を経て大学に学生が戻り、大学内でのチラシや広告、ポスターなどの掲載・掲示もあらためて有効な手段となりました。

ポスターの掲示のほかチラシの配布なども考えられます。いずれにしても、集客対象となる学年が自然と目にする場所に設置するとよいでしょう。そのためには、集客したい層の学生が普段どのように行動しているか分析する必要があります。

例えば学生の多くが利用する入口周辺にイベントの案内看板を設置するほか、大学内に設置しているデジタルサイネージで繰り返し表示させるのもよいでしょう。スクールバスを利用する学生が多い大学なら、中吊り広告の掲示も有効です。
学食ではトレイの上に敷くトレーマットに広告を掲示するほか、食券機や学食のテーブルなどにPOPを設置することも考えられます。
売店ならば、購入品へのチラシ同梱も効果がありそうです。

仮に就職活動を目前にした大学3~4年生の動員対策をおこなうのであれば、学年担当の教授に相談したうえで、訪れる機会が多い教授の研究室の前にポスターを掲示するのも効果的です。
また低学年の動員対策をおこなう場合は、学年合同の入門授業の終わりにチラシを配布することで効率的に告知ができます。

集客したい層の学生にあわせてポスターの掲示場所やチラシの配布方法を検討しましょう。

その他の集客方法

その他の集客方法として、ガイダンス終了後に次のガイダンスの予約を促すほか、個別で声をかけて参加するメリットを説明したり、キャリア系の必修科目で告知している大学もあります。
いずれもイベントの必要性を直接学生に訴えかける効果があるでしょう。

またガイダンスを内定者座談会と一緒におこなうなど、イベントの内容そのものを工夫している大学もあります。この記事の後半で各大学の事例を紹介しています、ぜひ併せてご覧ください。

学内イベントへの動員対策のコツ

動員数を増やすためにはどのようにイベントを企画していけばよいでしょうか。ここでは動員対策のコツを説明します。

学生の課題感や不安を意識してイベントを企画する

イベントが学生の課題感や不安などのニーズを意識して企画されているかどうかは大事な要素です。
キャリア・就職支援担当者側が学生に得てほしいと考える情報と、学生側のニーズにずれがあれば、学生はイベントへの参加を見送るかもしれません。 

「例年開催しているから」という理由だけでなく、学生や社会情勢の変化などに対応して一方的な押し付けにならないような企画を立てていきましょう。
例えば、 タイミングを見極めて就職への意識醸成する内容から段階的にイベントを実施します。また、イベントのタイトルや告知文も、過剰に不安や恐怖を煽らないよう注意しながら学生に「これは今、自分にとって必要そうだ」と感じてもらえるように工夫しましょう。 

学生の属性にあわせて複数のイベントを用意する

できる限り学生に寄り添い、属性ごとの課題に対応したイベントを複数実施することも大切です。
とはいえ、人的リソースやスケジュールの兼ね合いからすべての学生のニーズには対応しきれないかもしれません。

そのため、アンケートなどを実施して多くの学生がどのような課題を抱えているかや実施した場合の参加予想数などを検討します。学生の課題を洗い出したうえで優先順位をつけてこまめにイベントを実施することで、学生の満足度は高まります。

複数チャネルでの広報を心がける

広報に利用するチャネルの種類や回数が偏ってしまうと、逆に学生に届かなくなる可能性が出てきます。
そこで、複数のチャネルを使って積極的に発信していきましょう。
「マイナビ 2022年度キャリア・就職支援への取り組み調査」によると、就職ガイダンスの動員対策で効果が高かった施策の2位が「教員への情報共有」でした。 授業内でのアナウンスやゼミナールでの直接の呼びかけが、学生のイベント参加につながっています。

また、イベントの告知はがきも有効です。メールを見ないSNS世代の学生は、はがきなどの郵便物をチェックする親世代から促されて参加するケースがあるためです。
学生に直接働きかけるほかに、教職員や親など、身近な大人からの声かけにつながる広報を意識するとよいでしょう。

 以下の表は、「ガイダンスの動員対策で効果が高かった施策」の上位5位と具体的な活用例です。併せてご覧ください。

順位動員対策で効果が高かった施策具体的な活用例
メール配信大学に登録する学生のメールアドレスにイベントの開催案内するほか、リマインドメールを配信するのも有効 。
教員への情報共有ゼミナールの担当教員とイベント情報などを共有し、学生に直接参加を働きかけてもらえる。
学内ポータル提示履修登録や休講情報など学生生活に必要な情報を閲覧できる学生個人用サイト。イベントのお知らせを掲示するのに有効。
告知はがき郵送ガイダンスの告知を自宅へ郵送。本人が見るだけでなく、目にとまった保護者に参加を促してもらう 。
SNS配信スマートフォンに届くため、メールや学内ポータルを見ない学生が目にする可能性が高い。
参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2022年度キャリア・就職支援への取り組み調査

マイナビでは、大学のキャリア・就職支援担当者から学生宛てにマイナビ上でメール配信できるサービス「マイナビ学生集め~る」を提供しております。 「学内ガイダンス」や「内定状況調査」など各種連絡ツールとして活用も可能です。
詳しくは以下をご覧ください。

メッセージ配信システム|マイナビ学生集め~る」について知る

学生の都合がつきやすい日時に開催する

学生が参加しやすい形態や日時となっているかも、重要な要素です。
学生には授業への出席を優先させることが基本となるため、曜日や時間を変えて複数回実施する必要があります。
学生にスケジュールを押さえてもらうためにも、参加してほしい学生が普段どのようなスケジュールで動いており、どのような日時と場所に設定すれば最も多くの学生が参加しやすいかを考えましょう。見極めが難しい場合は、異なる条件で開催して参加率を比較するのも有効です。

参加しやすい時間帯に開催する例として、昼休みを利用した「ランチタイムセミナー」が挙げられます。昼食をとりながらの聴講を可能にすれば、忙しい学生にとっても参加しやすいでしょう。

オフラインとオンラインを使い分ける

コロナ禍の影響で就職支援もオンライン化が進み、多くの大学でオンライン対応が定着してきました。
徐々に対面(オフライン)でのイベント開催が可能になった今、オフラインとオンラインを使い分ける、あるいは併用する「ハイフレックス形式」が注目されています。

オンラインやハイフレックス形式は「長時間移動しなくてもよい」「留学中、帰省中でも参加できる」「授業やアルバイトの合間に受けられる」と学生からも歓迎される傾向にあります。
ただし、なかには「オンラインイベントだと実感がわかない」という学生もいるため、内容や学生の性質に合わせて開催形式を検討することが大切です。授業で学生が校内にいる場合は対面、休暇期間はオンラインと使い分けて学生が参加しやすい環境を作りましょう。

またオンライン参加の場合は、状況に合わせて匿名・カメラオフでの参加を許可するといった工夫や配慮があるとよいでしょう。
オンラインでのキャリア・就職支援については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「オンラインでのキャリア・就活支援は難しい?課題と対応、メリット・デメリット」を読む

開催後のアーカイブ配信を検討する

イベントにはできる限り参加したいと考えているものの、授業と重なりやむをえず不参加となった学生もいるでしょう。
そのような学生をフォローするためには、イベント開催後に動画をアーカイブ配信する方法もあります。

その際は、動画を視聴数を動員対策の成果として効果検証するのもおすすめです。
アーカイブ配信を視聴した学生が動画の内容に満足すれば、「次回のイベントには参加したい」と思ってもらえる可能性もあります。

ただし、イベント前からアーカイブ配信をすることを告知してしまうと「後でアーカイブを見ればいいや」とイベント参加もせず、アーカイブ視聴も忘れてしまうケースがあります。告知タイミングを含めて、アーカイブ配信をするかどうかはメリット・デメリットの両面を考慮し決めていくとよいでしょう。

参加率やアンケートを分析し次回に活用する

単にアンケートを実施するだけでなく、内容を分析して次回へ活用することも大切です。
イベントごとにアンケートをおこない、この時期に開催するイベントとしてふさわしいかを確認しましょう。アンケートは参加学生がどの時期に何を求めているか、ニーズを直接聞ける大きなチャンスです。
また、学生が設問に答えやすいように複数選択できるような回答形式にするほか、自由記述欄を設け、学生の声を聴けるようにします。

こうして集めた貴重な意見を分析し、次回以降のイベントに反映させることができれば、学生の満足度も上がり参加率も向上するでしょう。

学内イベント動員対策の成功事例

学内イベントでの動員対策のコツを踏まえて、ここからは動員が成功した事例を紹介します。

事例1:講座名の変更が成功の鍵に

最初にご紹介するのは、講座名や告知の内容を工夫し、動員に成功したケースです。
2年生向けガイダンスで「2年生だけに伝えたいことがあります」と対象を明記したうえで、シンプルなタイトルを記載したはがきを郵送したところ多くの学生の参加につながりました。

また、任意参加型の初開催の講座では、「就活ウォーミングアップ講座」と軽めのタイトルにし、講師のプロフィールも公開して親近感を持たせたところ、予想の3倍超の学生が参加した事例もあります。

事例2:複数チャネルによる告知で例年以上の参加者を獲得

複数のチャネルで広報をおこなったところ、予想以上の学生の参加につながった事例もあります。
この大学では例年、任意の低学年向けガイダンスへの参加数は30名程度でしたが、複数のチャネルを活用して告知をおこなったところ約1ヵ月の告知だったにもかかわらず260名と飛躍的に参加者数が伸長したそうです。

具体的には、チラシやはがき、マイナビ集め~る、学内ポータルサイトの案内など、あらゆるチャネルを活用したほか、事前にミニ告知動画を作成して案内したことが功を奏しています。

事例3:部活動の監督への声かけが体育会系学生の動員に

部活動の監督から学生に直接声をかけてもらい、動員に成功した事例があります。
体育会の学生向けに、早めに就職活動を考える機会にしてもらおうと講座を初めて開催したところ、2、3年生の計50名が参加しました。

体育会の学生は練習や大会を優先させてしまい、就職活動が後倒しになりがちで、気付いたら4年生の後期になっていることもあります。そこで、監督やゼミナールの担当教員、キャリア・就職支援担当者が連携し、「学業と部活動、就職活動が両立できるように、早めに意識づけしたい」という共通認識を持って企画しました。その結果、学生に伝える内容に一貫性が生まれ、想定よりも多くの動員に成功しました。
こうした、学内の部署を超えた連携は動員成功の大きな要因の一つです。

事例4:内定者の登壇によって多くの参加者を獲得

すでに就職活動を終えた4年生の先輩たちがどのような就職活動をしたのか、数多くの事例を知りたい学生は多いと考えられます。

そこで、内定者報告会のような企画以外でもイベントに4年生の内定者に登壇してもらい、参加者を集めることに成功した事例があります。

内定先の業界や所属学部学科、内定時期など、内定者の属性が多様であるほど、参加者の満足度は高まります。そのためにもキャリア・就職支援担当者は、内定者の学生と幅広くつながっておきましょう。

事例5:SNSで告知を実施し、動員確保に成功

SNSを活用した告知で動員確保に成功した事例もあります。
例えば2年生向けに新たな就職ガイダンスを実施したところ、在籍者数に対して約2割の学生が参加したという成功事例があります。あらかじめ登録してもらったキャリアセンターのSNSからの発信が効果的にはたらいたと考えられます。

最近の学生は、学内ポータルサイトやメールも必要だと認識しなければ開封しないことがあります。そのため、SNSという学生が使いやすいツールで告知することで、必要な情報を届けられる可能性が高まります。
また、SNSによっては予約投稿機能が利用できる場合もあるため、毎回投稿をすることなく業務効率化につながるという側面もあります。有効活用していきましょう。

事例6:表現を工夫し、低学年の動員に成功

表現を工夫したことで参加の動機につながり、低学年の動員に成功した事例をご紹介します。

2年生対象の就職ガイダンスの告知をする際に、「参加必須」という表現をチラシなどに使い、出席しないといけないという雰囲気を生み出しました。
加えて徹底したのは、告知チラシの設置や配布です。学内で学生がよく通る場所にチラシを大きく印刷して置いたほか、学内のエレベーターのなかにも掲示しました。

チラシを配布するために担当者がゼミや研究室に足を運んだことで、担当教員から学生に声かけをしてもらったことも効果的だったとのことです。
その結果、学年の約8割の動員に成功しました。

効果的な表現を使ったチラシを学生の目に留まるようにしたことで集客につながった好事例といえるでしょう。

事例7:欠席者向けにダイジェスト版の動画を送付

イベントには1人でも多くの学生に参加してもらいたいところですが、悩ましいのが授業と重なり欠席しなければならない学生へのフォローです。
例えば、授業と重なるなどの理由で欠席した学生に対してはダイジェスト版の動画を送付し、フォローも実施した事例があります。

ただし事前にアーカイブ動画を送ることを告知してしまうと、学生の参加率が下がる可能性があります。事前告知はしない、もしくは授業と重なった場合に限って送付すると明記するなど特別感を出す工夫が必要です。

まとめ

就職・キャリア関連イベントの学生動員に頭を悩ませているキャリア・就職支援担当者は多いのではないでしょうか。
動員対策を考えるにあたり、まずは学生にイベントそのものの情報が届くように、あらゆるチャネルを使って発信していくことが必要です。
そのうえで学生のニーズに合わせ、「必要だった」「参加してよかった」と感じてもらえるようなイベントを企画しましょう。

実際にイベントを開催する際は以下の点を押さえましょう。

  • 参加しやすい日時や場所の設定
  • 複数のチャネルでの発信
  • 大学ならではの企画内容
  • アンケート結果を分析して振り返る

マイナビキャリアサポートでは、大学教職員向けの「動員対策チェックシート」を提供しています。
告知する場所や告知のタイミング、具体的な動員対策の手法など、動員対策をおこなううえで押さえておきたい項目をチェックシートにまとめています。
イベント開催時にぜひご活用ください。

大学教職員向け「動員対策チェックシート」を見る

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