調査の裏側|Z世代のキャリア意識とは|大学生低学年向け調査

「調査の裏側」は、マイナビが実施している調査について、分析担当者に話を聞くシリーズ。今回は、18歳~20歳の大学1・2年生を対象に実施した「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査」をもとに、全体の傾向や気になるポイントなどに関して、マイナビキャリアリサーチLabの研究員を務める沖本麻佑に話を聞きました。

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副業への興味は半数以上、投資への興味も

―最初に「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査」についてお聞かせください。

概要はマイナビキャリアリサーチLabに掲載しておりますが、本調査は大学1・2年生に対して、今までに受けたキャリア教育や現在のキャリアに対する考え方について調査するものです。調査開始から5回目の実施となる今回は、対象となる学生たちがZ世代にあたるということもあり、例年調査している内容に加えて、働くこと自体や働き方についてどのような興味を持っているのか、またコロナ禍がどのような影響を与えているのかを調査したく、実施しました。

―今回の調査結果の中で、気になったポイントはありますか?

投資をしている学生がいること、投資に興味がある学生が4割程度いること、副業に興味がある学生が半数を超えていることなど「1つの就職先でキャリアアップしていくことで収入を増やす」以外の働き方や資産の増やし方に意識が高い学生が想定以上に多くいました。働き方改革の一環として政府が副業・兼業推進のガイドラインを策定したのは2018年で、それによる企業の副業解禁に関するニュースを聞いているとすれば対象学生が高校生くらいのとき。そのためか、働き方への考え方が柔軟で、副業を自然なものとして捉えている印象です。

投資や株式投資している学生は、学生全体と比べて「お金に関する不安」「働くことへの不安」が高く「就職活動への不安」が低くなっています。2019年と比べて2020年・2021年は就職活動に不安を持つ学生の割合が増えていますが、就職活動よりも先の人生について想像できているかどうかで、不安を持つポイントや学生時代の過ごし方に違いが出ているのではと思います。

仕事への考え方にはばらつきがある前提でサポートを

―他に気になった調査結果のポイントはありますか?

「仕事」への考え方にはばらつきがありました。仕事とプライベートのいくつかの項目にそれぞれどの程度比重をおきたいか、という質問で、おきたい比重の数字が平均して最も高いのは「仕事」でしたが、その理由を見るとコメントはさまざまでした。
「仕事を生きがいに」という学生もいますが、多くは「プライベートの充実のための仕事」「趣味活動の資金確保のための仕事」というもので「仕事を第一にして体を壊したくない」という意見もありました。学生側としては、自分が理想とする生き方がどういうものなのか考えを整理した上でのライフプランの立て方が必要ですし、キャリア支援する側としては、価値観がそれだけばらけていることを踏まえたサポートが必要なのかなと思います。

大学職員・教授と大学の先輩からの影響が下がる傾向

―調査結果の経年比較で特徴的なポイントはありますか?

1つは「キャリアを考えるうえで影響を受けた対象の変化」です。
2019年調査から見ると特に顕著なのですが、2019年は1位の「両親」の後に「大学職員・教授」と「大学の先輩」が続いていたのが、2020年・2021年はこの二つの対象から影響を受けた学生の割合がどんどん下がっています。他の選択肢の割合が増えているかというとそうでもないので、単純に、影響を受けた対象の幅が狭くなっていると考えています。現在の大学1・2年生はコロナ禍後の入学となっているので学内のコミュニティの範囲が例年の学生よりも狭く、キャリアについてのヒントとなるような会話をする機会が少ないのかもしれません。

もう1つは「インターンシップ参加割合の回復」です。
2019年までは増加していたインターンシップ参加割合が、2020年はコロナの影響もあって17.9ptの大きな減少となりましたが、2021年には20.7%と回復しました。インターンシップに参加した学生の約7割は「大学の講義として参加した」と回答しているので、感染対策を踏まえた上での大学講義としてのインターンシップの実施など、大学の工夫で参加割合が増加したのではと考えています。

Z世代が大学のキャリア教育授業に求めること

―最後に、特に低学年向けのキャリア支援・就職支援に対して、ご意見があれば教えてください。

キャリア教育授業についての学生コメントについて、取り上げてほしいトピックは「自己分析について」「就職活動の進め方について」「社会人になった後のマナーについて」など様々でした。一律ではなく色々な講座から、自分が知りたい講座を選んで参加したいという意見もありました。マイナビでも「マイナビ(就職)公式YouTubeチャンネル」がありますが、このように自分の視聴したい講座を自由に選べる形式が望まれているのではと思います。

また、前述のように、現在の大学1・2年生には投資に興味がある学生や自分の趣味のために働きたい学生も多く、「仕事に全力投球して、1つの会社でキャリアアップすることで収入を増やす生活」をイメージしている学生だけとは限らないようです。就職活動やキャリアについてだけでなく、自分の価値観やライフプラン自体を幅広い観点から考える機会をつくることが大事だと感じています。

Editor’s Comment

本調査対象は、コロナ禍で大学入校制限の影響を受けた世代。他の世代とキャリアに関する情報の受け取り方、理解の仕方が少し違うかもしれない…という前提で、学生と向き合う必要があるかもしれません。
また、「働き方」に関してのアンテナが高いZ世代。低学年向けのガイダンスなどを考案する際には、仕事や就職活動という切り口だけでなく、働き方、趣味、お金などのキーワードを盛り込んだ「社会人の日々の暮らし」をテーマにして考えてみるのも良さそうです。
弊社でもどのようなキャリア支援がより良いのか?を継続して考えて参ります。
(マイナビ副編集長:谷口)