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大学3年生の秋以降に学生の就職活動に対するモチベーションを高める方法・コツを解説

大学3年生になると、翌年の3月から始まるエントリーや企業説明会に向けて、学生はいろいろな準備を始めます。しかし、なかなかモチベーションが上がらず、夏のインターンシップが終わった秋以降に、準備を始める学生も少なくないようです。

この記事では、大学3年生の秋になっても就職活動に対するモチベーションが上がらない要因と、キャリア・就職支援担当者が学生のモチベーションを高める方法・コツを紹介します。

大学3年生の秋になっても就職活動に対するモチベーションが上がらないのはなぜ?

2025年卒業見込みの大学3年生(および大学院1年生)に対して行った「マイナビ2025年卒大学生 広報活動開始前調査」によると、インターンシップ・仕事体験について、14.3%が「参加していない」と回答しています。そして、初めてインターンシップ・仕事体験に参加した時期については、約3割が大学3年生の9月以降と回答しております。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ2025年卒大学生 広報活動開始前調査

インターンシップ選考に落ちてしまい、「参加したかったけれどできなかった」というケースもあります。また、なかなか就職活動に対するモチベーションが上がらず、準備のスタートが秋以降になってしまう学生も一定数いると考えられます。

なぜ、就職活動に対するモチベーションが上がらないのでしょうか、その主な理由を紹介します。

就職活動についての具体的なイメージが湧かない

就職活動を具体的にイメージできず、モチベーションが上がらないという学生もいるでしょう。例えば、「就職活動の準備といっても、そもそも何から始めればいいのかわからない」「自分の興味・関心があることがわからない」といったケースが考えられます。

また、本格的な就職活動が始まるのは大学3年生の3月からとなるため、「まだ就職活動を始めなくても何とかなるだろう」という気持ちを持っている学生もいるのではないでしょうか。

しかし、後悔することのないように、就職活動の準備は計画的に進めていきたいものです。「マイナビ2024年卒内定者意識調査」では、就職活動を振り返って「もっと十分にすればよかったと思うこと」として、最も多い回答が「自己分析(40.4%)」、次いで「企業研究(39.0%)」、「面接対策(36.3%)」、「業界研究(35.9%)」となっています。これらは就職活動の準備としてまず始めたいことといえます。キャリア・就職支援担当者は、学生が計画的にこれらを進められるようサポートしていきましょう。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ2024年卒内定者意識調査

自信が持てない

就職活動では社会人としての意識を持つことが求められるものの、「自分にその振る舞いができるだろうか」と不安になり、モチベーションが上がらないことも考えられます。

または、就職活動の準備を始めるべきと感じているが、これまでの学生生活を振り返ると「自分には他の人より優れているところがない」「就職活動を有利に進められるような活動を何もしていない」と他人と比較し、劣っていると感じて自信を失う場合もあります。

さらに、企業の評価基準は一律ではないため、自分がどのように評価されているのか分からず、実力が試される、あるいは評価される状況に不安を感じて自信をなくすこともあるでしょう。

将来のことにあまり興味を持てない

就職活動を自分ごととして考えることができていない学生も一定数いるのではないでしょうか。例えば、「なんとかなるだろう」と楽観視していたり、「今」を大切にしすぎてその先のキャリアのことはあまり考えられていなかったりするケースです。

そのような状態でも、周りの学生が就職活動の準備を始めていれば、その姿を見て刺激を受けたり、焦りを感じたりして、モチベーションが上がる場合もあります。しかし、積極的に就職活動の準備に取り組んでいる友人がいない場合は、将来について考える機会がなく、焦りすら感じていない状況にあると考えられます。

夏休み期間中、他の活動で忙しかった

夏休み期間中は他の活動で忙しかったため、就職活動の準備を何もできていないという学生も、一定数いるでしょう。例えば、留学をしていた、部活・サークルやアルバイトなどの活動に打ち込んでいた、学業が忙しかった、などが考えられます。

このように、他のことで忙しく、就職活動のことが頭から離れてしまうなど、「そろそろ就職活動の準備に取りかからないといけない」とは思いつつ、つい後回しになっている学生もいるでしょう。

就職活動に対するモチベーションを高める5つの方法・コツ

では、学生のモチベーションを高めるために、キャリア・就職支援担当者はどのようなサポートができるのでしょうか。ここからは、その方法・コツを紹介します。

1.自分ごととしてとらえてもらうための情報発信 

前述のように、周りが就職活動の準備を始めると、刺激を感じてモチベーションが上がるというケースもあります。周りの積極的な活動を見ることで、就職活動を自分ごとととらえられるようになり、行動につながることが期待できます。そのため、活動の事例を見せるという方法が有効です。事例を見せることで、「何から始めればいいのか」も、イメージしやすくなるでしょう。

具体的な方法としては、さまざまなツールを使った情報発信が挙げられます。ツールとは、メール、ポスター、学内SNSや学内ポータル・大学ホームページなどで、複数のツールを組み合わせて発信することで、情報が学生に届きやすくなりますこれらのツールを使って、「#私はこうして就活をスタートしました」「#キャリアセンター職員が見たGoodアクション!」など、学生が最初の一歩を踏み出せるような情報を紹介しましょう。

先輩や周囲の学生の活動事例を継続的に発信することで、学生のモチベーション向上を図ります。事例は、接点のある学生やアンケート等から収集し、承諾を得てから発信するようにしましょう。同じ事例でも、ツール・話者等を変えて情報を発信すると効果的です。取り組みやすい最初の一歩に分解して紹介してみてください。

また、ガイダンスであれば、学びを見える化できる工夫をしてみましょう。例えば、WEBガイダンスであればチャットで質問を受け付けたり、対面ガイダンスであればアンケートを取り集計して学内SNSや学内ポータルに投稿したりすることが方法として考えられます。学生が刺激を受けてモチベーションの向上につながるでしょう。

2.OB・OGや内定者から話を聞く機会を提供する

就職活動の経験がある先輩から話を聞くことで、モチベーションが上がることもあります。OB・OGや、内定者と気軽に話せる機会も提供してみましょう。

例えば、内定者に相談できるブースをキャリアセンター内に設置している大学や、内定者との座談会、内定者のパネルディスカッション、OB・OGとの懇談会などを実施している大学もあります。先輩から就職活動についてのリアルな話を聞くことで、具体的にやるべきことをイメージしやすくなります。自分のキャリアの方向性を決めるきっかけとなるかもしれません。

また、「ある程度キャリアの方向性は見えているものの自信が持てない」、または「他のことが忙しい」などの理由でモチベーションが上がらない学生には、合同説明会などのイベントに参加することを勧めてみてはいかがでしょうか。イベントであれば気軽に参加することができますし、実際に社会人として活躍している人(出展企業の人事担当など)の姿や、参加している学生の姿を見て、「自分も動かなければいけない」という意識を持てるようになるかもしれません。参加することで、自己理解や業界・企業理解も深められるでしょう。

合同説明会などのイベントに参加するメリットや、参加する学生に対してのサポートは、マイナビ2026「合同説明会のはじめてガイド」も参考にしてみてください。

3.ガイダンスの内容を工夫する

学生のモチベーションを高めるために、秋以降はガイダンスも工夫してみましょう。

例えば、秋以降のガイダンスは対象者を分けて実施している大学もあります。インターンシップ未参加者向けの基本的なガイダンス(仕事研究、適性検査による自己分析など)と、インターンシップ参加者向けの実践系ガイダンス(エントリーシート、面接対策など)を用意し、秋の時点でまだ何もしていないという学生には、まず基本的なガイダンスを受けるよう提案してみてはいかがでしょうか。

その他にも、内定者や外部に講師を依頼したガイダンスの中で、就職活動の成功例だけでなく、失敗例も伝えてもらうのも一つの方法です。就職活動は初めての連続です。学生は、「自分にうまくできるのだろうか」と不安を抱えることもあるでしょう。事前に「どんなことにつまずきやすいか」を知っておくことで、最初の一歩を踏み出せる学生もいるでしょう。

また、ガイダンス中に学生同士で近況を報告し合う機会を設けたり、今後について話し合うワークを盛り込んだりする方法もあります。他の学生の話を聞くことで、良いプレッシャーを感じてモチベーションが上がることもあるでしょう。

参加を促す工夫も忘れずに

どんなにガイダンスの内容を工夫しても、学生に参加してもらわなければモチベーションを高めることはできません。そのため参加を促す工夫も必要です。ガイダンスへの積極的な参加を呼びかけることに加えて、スタンプラリーのような楽しめる要素を盛り込んで参加を促しているケースもあります。

また、学生に「このガイダンスは自分が対象だ」と思ってもらえるように、タイトルも工夫してみましょう。まだ何もしていない学生に向けてのガイダンスなら、「これから就活準備を始める人のためのスタートアップガイダンス」「秋・冬インターンシップに向けた基礎講座」といったタイトルが考えられます。

マイナビでは、ガイダンスやイベントの動員対策として押さえておきたいポイントをまとめた「動員対策チェックシート」を提供しています。こちらもご活用ください。

大学教職員向け「動員対策チェックシート」を見る

4.イベントを積極的に開催する

さまざまな種類のイベントを用意して、学生に興味を持ってもらえるように働きかけましょう。例えば、就職活動の準備を始めていない学生向けの専用プログラムの定期開催、ワークショップ、個別面談、懇談会、企業説明会、OB・OG訪問、内定者ブースや決起集会などが考えられます。

なかでも、決起集会は大学3年生の1月から3月1日(企業の広報解禁日)までの間に開催する大学が多いですが、秋・冬のインターンシップに向けて、夏休みが明けた時期に開催できれば、学生のモチベーションアップにつながる可能性があります。

秋以降のイベントでスーツを着用した学生が増えると、目に見えて就職活動生が増えていることがわかるためイベントの開催は良い刺激を与えることになるでしょう。

5.学生の状況に応じた対応をする

「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)」では、就職活動を経験した先輩から2025年卒の就職活動生へのメッセージとして、「早めに活動を始めたほうがいい」というアドバイスが見られました。理由としては、「早く始めるほど自分のペースで余裕を持って活動できるため」と挙げられています。

一方で、「焦って就職活動をするより、大学での学業を優先するべき」「周りの就職活動を気にせずに自分のペースで進めてください」という声もありました。

参考:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (10月中旬)

就職活動の準備をいつ始めたとしても、最終的に入社するのは1社だけです。大学4年生になってから就職活動を始めて、自分に合った就職先を見つける人もいます。就職活動の進め方は人それぞれ違いますので、キャリア・就職支援担当者は、学生が主体的に活動できるようにサポートできるとよいでしょう。

具体的には、就職活動に対して早めに動く学生と、自分のペースで動く学生に応じた対応をすることが大切です。早めに動く学生に対しては、秋以降にもインターンシップ&キャリアがあることを伝えて安心させ、行動の後押しをすることでモチベーションを高めることができます。一方、自分のペースで動く学生に対しては、教員、保護者、ゼミの先輩、友人など、周囲に働きかけることで、就職活動が自分ごとであることに気づいてもらい、危機感を覚えることによりモチベーションが高まる可能性があります。

また、キャリアセンターへ相談に来た学生と一緒にマイナビで検索することで、それぞれのペースに合ったインターンシップ&キャリアを探すことができます。詳しい探し方については、こちらをご覧ください。

まとめ

秋になっても就職活動に対するモチベーションが上がらない理由は、学生によってさまざまです。今回紹介した内容も参考に、学生のモチベーションを高める工夫を行ってみてはいかがでしょうか。

また、イベントを実施したり、ガイダンスの内容を工夫したりしても、学生に参加してもらわなければ意味がありません。まずは学生の目に留まるように学内ポータル等、大学のSNS、ガイダンス、メール配信など多くの方法で情報を発信し、他の学生がどのような活動をしているのか、どのようなガイダンスやイベントがあるのかを知ってもらうことが大切です。

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