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2025年卒大学生活動実態調査 、25年卒大学生意識調査について|マイナビ編集長コラムvol.7

マイナビ編集長による、各種調査結果を基にしたコラムです。
今回は、2025年卒大学生活動実態調査 、25年卒大学生意識調査について解説します。

Profile

高橋 誠人
株式会社マイナビ 就職情報事業本部 マイナビ編集長
2002年、株式会社マイナビに入社。キャリアサポーターとして10年間マイナビの学生向け広報業務に携わり、関西圏の大学、短大、専門学校での就活支援講座を多数行うなど、学生の就活サポートを精力的にこなす。その後営業の現場で、企業の採用コンサルティングに幅広く関わる。熊本支社長、鹿児島支社長、兵庫支社長を経て、2018年7月より現職。日本キャリア開発協会会員(CDA)。

皆さま、こんにちは。マイナビ編集長の高橋です。
新年度もはじまり、ゴールデンウィークも過ぎ、皆さまいかがお過ごしでしょうか。キャンパスに少し落ち着きが出てきた頃ではないでしょうか。今回のコラムでは、2025年卒学生の活動実態や就職意識などについてお伝えいたします。

25年卒業予定の大学生・大学院生の4月末時点の内々定率は64.3%(前年比12.3pt増)

2024年5月に発表しました「2025年卒 大学生 活動実態調査(4月)」では、25年卒学生の4月時点での内々定率は64.3%(前年比12.3pt増)で、前回調査に引き続き、前年を大きく上回って推移しています。

また、内々定保有者に限定した活動を継続する割合は49.0%でした。前年から11.0pt減少しているものの、半数近い学生が活動を継続する意向があるようです。内々定を取得しても慎重に企業を選択している様子がうかがえます。

就職活動の継続については未内々定者・内定保有活動継続者ともに「6月末」が最多

ではいつまで就職活動を続ける予定か、就職活動の終了タイミングを聞いたところ、「6月末」予定が最多の34.5%でした。また、学生を未内々定者と内定保有活動継続者に分けて見たところ、どちらも「6月末」が最多でした。
選考タイミングが早まっている現状においても学生の活動終了タイミングについては例年と大きな変更はないようです。

学生が大手企業の選考に参加した決め手としては「福利厚生の手厚さ」が最多

後述しますが、大手企業志向が強まるなか、大手企業の選考に参加した学生に、選考に参加する決め手となったものを聞いたところ「福利厚生が手厚い」が最多で51.5%でした。
学生の就職する企業にあったら嬉しい、または求める勤務制度や福利厚生については休暇制度(特別休暇、リフレッシュ休暇、介護・看護休暇など)が最多の58.2%で、続いて諸手当(住宅手当、子ども手当、食事手当など)が55.3%、フレックスタイム制(時差出勤・オフピーク通勤も含む)54.7%でした。

2023年12月に発表した「2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)」では、新卒で入社する企業で定年まで働きたいと考える学生は20.1%と少なくはなく、長期的に勤務することを視野に入れ、働きやすい環境を求めていることが伺えます。

就職観は「楽しく働きたい」が最多。増加幅がもっとも大きかったのは「個人の生活と仕事を両立させたい 」

2024年4月に発表しました「2025卒大学生就職意識調査」では、就職観についてあてはまると思うものを答えてもらったところ、これまでと同様に「楽しく働きたい」が最多で38.9%(前年同値)でした。

もっとも増加幅が大きかったのは「個人の生活と仕事を両立させたい」で、前年比1.7pt増の24.5%、働きやすい環境を希望したり、「育児休業を取得して子育てしたい」という割合が男女ともに高い傾向にあるといった学生のワークライフバランス志向が反映されていると推測されます。

企業志向は大手企業志向が53.7%で前年比4.8pt増。3年ぶりに5割を超える。

大手企業志向(「絶対に大手企業がよい」と「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の回答の合計) は53.7%(前年比4.8pt増)となり、2022年卒以来3年ぶりに半数を超えました。また、物価上昇や実質賃金の低下、大手企業を中心とした賃上げ・初任給引き上げに関する報道等がなされる中、経済的な不安を軽減させたいという思いから大手志向が増加したと考えられます。

項目を細かく見ると「絶対に大手企業がよい」という回答が1割未満ですが「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」が最も多い43.9%となりました。志望職種(やりたい仕事)に対する学生の関心の高さもうかがえます。

企業選択のポイントは「安定している会社」が49.9%で6年連続最多。「給料が良い会社」も3年連続で増加。

企業を選択する場合にどのような企業がよいか(あてはまると思う項目を2つまで選択)を聞いたところ、「安定している会社」が49.9%(前年比1.1pt増)で6年連続で最多で、4年連続で増加しており、5割に届く勢いとなりました。
「給料の良い会社」も3年連続で増加し、前年比2.2pt増の23.6%となりました。物価高に伴う経済面への不安や企業による初任給引き上げや賃上げといった動向の影響が考えられます。

最も人気が高いのは「食品」、最も割合が増えたのは「銀行・証券」

次に志望業種をみてみましょう。現時点で最も志望度の高い業種を聞いたところ、最も人気が高いのは前年に引き続き「食品」(12.2%)、最も増加割合が大きいのは「銀行・証券」で、前年比0.9pt増の5.4%でした。「電子・電気・OA機器 」「スポーツ・玩具・ゲーム製品 」も前年比0.4pt増となりました。

行きたくない会社は「ノルマがきつそうな会社」が最多。「転勤が多い会社」も4年連続で増加し3割を超える。

行きたくない会社(あてはまる項目を2つ選択)を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で38.9%(前年比0.7pt増)でした。2番目に回答が多かったのは「転勤の多い会社」で30.3%(前年比0.7pt増)で、初めて3割を超えました。「転勤の多い会社」が増加している背景の1つとして、学生の共働き志向の高さが考えられます。

マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査」(調査期間:2023年11月28日~12月25日)によれば、結婚後の仕事に関してどのように考えているかという質問に対して、男子学生で6割超、女子学生で7割超が「夫婦共働きが望ましい」と回答しており、男女ともに共働き志向が高い傾向です。

また、「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(6月)」によれば、入社後の配属先(勤務地・職種)に関する考え方として「勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」という回答が54.0%と半数を超えており、ライフスタイル、特に結婚後の仕事のあり方に関する考え方の変化に伴い、転勤により勤務地が頻繁に変更になることに対して抵抗を感じている学生が多いと考えられます。

では次に、モニター学生による心境などを見てみましょう。

就活疲れの理由が前月から変化。「面接に緊張」「選考結果に一喜一憂」など、選考に関する回答が増加

2024年4月に発表した「2025年卒 学生就職モニター調査 3月の活動状況」によると、2月、3月で「就活疲れ」(就活準備を含む)を感じたことがあるかを聞いたところ、2月が81.3%、3月は80.5%の学生が「(かなり+やや)感じた」と回答しています。就活疲れを感じた活動は、「最終面接を受けた(28.9%/前月比0.8pt増)」のみ増加し、全体的に減少しました。

また「就活疲れ」の理由としてあてはまるものを上位3つまで聞いたところ、「選考結果に一喜一憂してしまう(23.7%/前月比4.0pt増)」「面接を受けるのに緊張してしまう(37.4%/前月比3.5pt増)」の回答が増加したが、「自己PRが思いつかない、うまくプレゼンできない(26.9%/前月比4.0pt減)」「周りの学生に圧倒されてしまう(17.3%/前月比3.7pt減)」「進みたいキャリアが決まらない(15.0%/2.6pt減)」の回答は減少しました。

では、入社したいと最初に強く思ったタイミングはいつでしょうか?

入社したいと最初に強く思ったタイミングは「インターンシップ・仕事体験参加時」で35.1%と最多

入社予定先企業のインターンシップ・仕事体験に参加した割合は85.7%となり、入社したいと最初に強く思ったタイミングは、「インターンシップ・仕事体験参加時(35.1%)」が最も高いのも特徴的です。

最後に、社会人として働くことで得たいものを聞いたところ「高収入(42.7%)」「出世・地位(15.4%)」の回答は減少し、「生活の安定(70.2%)」が最多となりました。待遇面への意識が高まっていますが、その背景は出世や高収入ではなく、生活の安定のためという考え方が強いようです。

また、どのような職場であれば「働きがい」や「やりがい」を感じるか聞くと、今年は「仕事に見合った報酬や対価が得られる(23.0%、)」の回答が最多となり、前年最も回答の多かった「興味があることを仕事に出来る(21.9%)」を上回りました。

あとがき

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。就職、キャリアセンターの皆さまも、就職活動に奮闘している2025年卒学生の就職・キャリア形成支援をされつつ、2026年卒学生のサポートも開始され多忙な時期かと存じます。もし、弊社でお力になれることがありましたら、遠慮なく、担当のキャリアサポーターにお声がけいただければ幸いです。

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