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大学事例|「自立して輝く女性」は力強いプログラムと丁寧なサポートで育つ|和洋女子大学

和洋女子大学は、1897年創設者である堀越千代によって、裁縫の各種専門学校「和洋裁縫女学院」として東京の麹町区飯田町に創立されたことが歴史の始まりです。日本の伝統文化や道徳性を大切にしながら西欧から伝わった知識や技術を身につけることで、社会で自立して輝く女性を育成するという信念のもとに開学。その理念は今日に受け継がれ、毎年、100%に近い就職率を誇る大学です。今回は、学生たちの就職を全面的にサポートしている、進路支援センター事務室長の野澤氏にお話を伺いました。

Profile

野澤 和世
和洋女子大学 進路支援センター事務室 室長
和洋九段女子中学校高等学校から和洋女子大学に進学。ファーストキャリアは医療大学での秘書。その後、日本語教師や人材コンサルティング会社勤務、社内起業からのM&Aなどを経験。社会人として早稲田大学、大学院で異文化と人材育成についても修学。2019年に和洋女子大学へ入職し、多彩な経歴を活かした進路支援を行う。

キャリアインカレ優勝にもつながった「素敵探し」

―千葉限定キャリアインカレ2022で優勝されたとのこと、おめでとうございます。高い就職率からも質の良いキャリア教育であることが感じられるのですが、お考えを聞かせてください。

ありがとうございます。千葉限定キャリアインカレ2022で本学の学生たちが優勝した時は、「学生たちのポテンシャルは無限にある」と改めて感じました。私たちはキャリア教育のテーマを「自立して輝く女性になるために」と置き、自分らしく未来を切り拓ける女性の育成を目標に掲げていますが、それが一つ実ったような出来事でしたね。

本当に素晴らしいプレゼンテーションでしたが、彼女たちは入学当初から飛び抜けていたというよりも、能力を発揮するきっかけがあったことで花開いたのだと思います。そもそも、女子大へ進学する学生の中には、最初の頃は自分を出しきれていない子も少なくありません。素晴らしい可能性を持っているにもかかわらず、内に秘めてしまっている。それを外に出していくきっかけづくりが私たちの役目です。学生には「一緒に『素敵探し』をしていこう」と声をかけていますね。

―「素敵探し」ですか。とても良い言葉ですね。

進路支援をしている私たちもモチベーション高く臨めるように、言葉選びには工夫をしています。やはり身近な大人として、やりがいを持って働いている姿を見せたいですからね。幸い、進路支援センターのメンバーはどんな時でも前向きです。最近ではコロナ禍で学生へ声が届きにくいと感じたメンバーがお昼に学内放送を始めたんですよ。先日も「今日は大学3年生の皆さんに就職活動についてのヒントをお話します!」とメンバーが楽しそうに話していました。

最近の学生は、非常に素直で真面目です。もっと遊んでほしいと思うこともありますが(笑)、でも、そのぶん、きっかけさえあればスポンジのように吸収していく力を持ち合わせています。だからこそ、思いきった挑戦をしてほしい、そして時には失敗もしてほしい。失敗を通して自分ができなかったことを知ることは、今後のキャリア形成の上では成功ですからね。そのような機会を提供できるよう、メンバーとはいつもアイデアを出し合っています。

学生に寄り添いながらも強く育てる

―学生の可能性を引き出すため、具体的にどのような施策を行っていますか。

サポートは「寄り添う姿勢」で、一方で講座は「力強く」という方針をとっています。丁寧なサポートを実現するため、学科ごとにキャリアカウンセラーを配置して、大学3、4年生だけでなく、1年生も気軽に相談できるよう受け皿を広げています。また、高校・大学間の連携にも注力しているため、高校生の話を聞くこともあります。

「就職活動はつらいもの」という先入観ができる前に「一緒に楽しもう」と伝えています。具体的には、入学したばかりの1年生に「3つの約束」という話をします。「就職には、成績証明書と健康診断書、そして履歴書が必要。だから、まずは勉強をしましょう、健康でいましょう。そして、3つ目の履歴書には、大学時代に頑張ったことを3つは書けるように。今はなくても、私たちもいろいろな仕掛けを用意するから一緒に見つけましょう」と。

その「仕掛け」となるのが、キャリア講座です。先ほどのキャリアインカレにもつながった次世代女性リーダー養成講座「なでしこキャリアプロジェクト」、アントレプレーナーシップ育成のための女性起業家セミナー、そして学生にも人気のSDGsプロジェクト。 また、航空会社の方によるホスピタリティマネジメントについてのワークショップなど、企業の方を招いて開催する講座も多くあります。

そして、3年生全員参加の面接練習会も企業の方をお呼びして実施しています。どのプログラムでも心掛けているのは、探究からアクション、課題解決、そしてリフレクション(内省)という一連の流れをつくること。振り返ることで、自分の中で言語化して定着させることができる。実は、現在、この考え方をベースに有償インターンシップ開発にも取り組んでいるところなのです。多くの学生が行う「アルバイト」にキャリア教育の内容を盛り込めないかと、学生課と連携中。キャリアを考えるための新たな選択肢になればと考えています。

また、他課の連携だけでなく、本学は教職協働の意識も強いのが特長です。キャリアカウンセラーとともに、担任の教員も学生をサポート。学生を理解するのに、就職活動だけ、学業だけを見ていても、本当の状況はわからないと思うのです。ちなみに、教職協働の象徴は大学3年生の火曜日4、5限「進路の日」かもしれません。その時間は、伝統的にほぼ授業がなく、先ほど挙げたようなキャリア講座を実施しています。

自分を伝えるための下地はビジネスマナー

―実践的なキャリア講座が多く、学生も楽しみながら参加できそうです。

近年は学生も多様化しているため、学生一人ひとりのニーズに応えられるようにしています。たとえば、LGBTQや発達障がいに関する不安や悩みなど、これまではあまり顕在化できていなかったものもあります。こうした問題は社会側の受け皿が十分に整っていないことも多く、就職活動ではなかなか苦労することも多いのが現状です。だからこそ、私たち教職員が一人ひとりの特徴や価値観にあった支援を行い、必要であれば外部機関と連携する「ダイバーシティキャリア支援」にも注力します。

また、全学生に対して「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」を学生自身が持たないようにも指導しています。「私はこうだから」「私なんて」という決めつけをせずに、無限の可能性を広げてほしい。もちろん、私たち自身も気をつけています。

学生一人ひとりに合わせたきめ細かな支援体制を整えているんですね。

そうですね。ただ一方で、「ビジネスマナー」については一律で徹底的に指導しています。企業の方から「和洋女子大学の学生は一目でわかる」というお声もいただくほどです。講座のキャッチコピーは「90分でお姫様に変わる」。立ち振る舞いの基本は、訓練をすれば身につきます。面接などでそこに気を取られていてはもったいない。企業の方と話す時は、自分を伝えることだけに力を注いでほしいので、その下地であるビジネスマナーは全員に対してしっかりと教えています。

永遠の進路支援センターとして学生を見守り続ける

―多彩な進路支援についてお伺いしてきましたが、他大学の皆さまへコメントをいただけますか。

本学は、10女子大学連携の「就活ゼミ」にも参加しており、また所在地である千葉県内の大学とも結束が強く、面接対策講座などを共同で実施しています。学生たちも緊張感を持ったり、競争心を芽生えさせたりと、同じ大学の仲間だけでは得られない影響を受けているようです。多様な学生と出会うことで、自分の特徴や得意を実感し、殻を破ることにもつながっています。これからも、さらに多くの大学と連携を広め、深めていきたいですね。

VUCAと言われる時代を生き抜ける「変化や挑戦を恐れない人材」を育てていくため、他大学の皆さんとは課題を分かちあい、時には切磋琢磨もしていければ幸いです。私たちは自分たちの役割を「永遠の進路支援センター」と学生たちに伝えています。実際、卒業生のキャリア支援にも取り組んでいるのですが、心理学者のジョン・D・クランボルツがいうようにキャリアとは偶発的な出来事から形成されていくもの。何があるかわからない中で挑戦も失敗もできるのは、帰れる場所があるからだと思うのです。そうした「いつでも立ち戻ることができる場所」に、私たちがなっていきましょう。

Editor’s Comment

私も審査員をさせていただいた「千葉限定キャリアインカレ2022」で見事優勝を勝ち取った和洋女子大学さんでしたが、優勝チームはなんと1年生と2年生の2人チームでした。その指導にも大きく関わっていた進路支援センター事務室の野澤さんに取材させていただきました。
学生自身が自分の魅力に気付き、自信に繋がる、そのためには職員の方々が「学生の素敵探し」をするという気持ちで対応しているという言葉が印象的でした。職員の方々に対しても日々、率先して明るく、楽しく、健康に、幸せそうに仕事をしてその姿を学生に見せるべき、と聞き「素敵探し」ができる理由が納得できました。
(マイナビ編集長:高橋)

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