マイナビ編集長による、各種調査結果を基にしたコラムです。
今回は、2026年卒大学生キャリア意向調査、2026年卒企業新卒内定状況調査、2027年卒大学生キャリア意向調査について解説します。
Profile

高橋 誠人
株式会社マイナビ 就職情報事業本部 マイナビ編集長
2002年、株式会社マイナビに入社。キャリアサポーターとして10年間マイナビの学生向け広報業務に携わり、関西圏の大学、短大、専門学校での就活支援講座を多数行うなど、学生の就活サポートを精力的にこなす。その後営業の現場で、企業の採用コンサルティングに幅広く関わる。熊本支社長、鹿児島支社長、兵庫支社長を経て、2018年7月より現職。日本キャリア開発協会会員(CDA)。
皆さま、こんにちは。マイナビ編集長の高橋です。
前回のコラムでは「暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか」と冒頭に書きました。年々秋が短く、冬の到来が早いと感じ、季節感も大きく変化しているように感じます。学生へのキャリア支援も、低学年からのキャリア形成から就職活動へと繋がるように変化していくでしょう。
今回は、2025年の10月以降に発表された各調査結果を中心に、2026年卒学生の状況、2027年卒学生の動き、企業の2026年卒新卒内定状況についてお伝えします。今後のキャリア支援の一助になれば幸いです。
<学生>2026年卒学生の10月中旬時点での内定保有率について
10月下旬に発表された『2026年卒 大学生キャリア意向調査10月中旬<就職活動・進路決定>』によると、内定保有率は90.5%で、前年同月と同値でした。文理別に見ると、文系学生は90.1%、理系学生は91.1%でした。
3月1日調査時点では文理で20.3ポイントの差がありましたが、本調査では1.0ポイント差となり、文理差はほぼなくなっています。活動継続率(内定を持ちながら活動を継続する学生の割合+未内定者の割合)は15.3%で、前年同月(16.3%)をわずかに下回りました。
10月中旬の内定保有社数は1.6社で、前年から1.1ポイント減少しました。複数内定を保有する学生が減少しているものとみられます。文理別に見ると、文系学生は1.7社、理系学生は1.4社と、やや文系学生の方が多い結果でした。
内定保有者に対して、入社意思が最も高い企業をどのように発見したかを聞くと、最も多かった回答は「就職情報サイト(28.5%)」で、次いで「インターンシップ&キャリア(17.7%)」でした。特に理系学生では「インターンシップ&キャリア」が21.1%と、文系学生(15.5%)より5.6ポイント高かったです。
入社予定先への志望度が高まったタイミングは?
入社予定先への志望度が特に高まったタイミングについては、「インターンシップ&キャリア参加時(20.4%)」が最多であり、特に理系学生ではその割合が26.7%と、4人に1人以上がインターンシップ&キャリアを通じて志望度が高まった企業に入社予定であることがわかりました。
実際に内定先のインターンシップ&キャリアに参加したかを聞くと、3月上旬時点の参加率は約8割で、以降徐々に減少してはいるものの、最終的な結果としては45.6%が参加していたことがわかりました。
内定先のインターンシップ&キャリアの平均参加回数
参加回数については、「1回(60.2%)」と回答した学生が約6割を占めましたが、複数回参加しているケースも見られ、平均参加回数は2.0回でした。参加日数に関しては、「1日(36.8%)」が最も多く、次いで「5日以上(29.5%)」となりました。
特に理系学生では、「5日以上」の割合が38.3%と高く、三省合意で定義改正のあったタイプ3・4のインターンシッププログラムへの参加者が多いことがうかがえます。
企業側も複数の募集コースを設けている場合があり、学生は特に志望度の高い企業に対して、複数回・複数日程参加することで理解を深めようとしている様子が見受けられました。
<学生>2027年卒学生のキャリア形成活動への参加状況
次に2027年卒学生の動きを見てみましょう。10月に発表された『2027年卒大学生キャリア意向調査9月<インターンシップ・キャリア形成活動>』によると、9月のインターンシップ(5日間以上のプログラム)参加率は16.4%で、前月の16.7%とほぼ同水準でした。8月に引き続き、夏季休暇の影響から9月もインターンシップの参加率は他の月と比べて高い結果となりました。
インターンシップ&キャリアを通じて「働くこと」に対する意欲がどう変化したかを聞いたところ、「前向きになった」(「前向きになった(44.0%)」+「どちらかというと前向きになった(34.8%)」)は78.8%で、約8割が働くことに対して意欲が前向きに変化していることがわかりました。
前向きになった理由としては、「ネットではマイナスな意見ばかりだったが、実際に行ってみると良いところが多く、イメージの払拭ができた」「仕事をすることに対して嫌なことばかりという印象があったが、楽しめる面が見つかった」という意見がありました。
インターンシップ&キャリアは、学生の不安を和らげ、働くことに対するマイナスなイメージを払拭する機会となっていることがわかります。また、現場での実体験が働くことに対する意欲の向上を促す重要なステップとなりうることが考えられます。
一方で、学生に「インターンシップ&キャリアに参加してみて、もっと○○だったらよかった」と感じたことを聞いたところ、「会社・仕事の厳しさ、大変なことなどマイナスな部分も知りたかった」が38.2%で最多となりました。
学生はインターンシップ&キャリアの場で“働くことのリアル”に触れる機会を求めており、現場でしか得られないマイナス面も含めてプログラムの中で経験できることを期待していることがわかります。
「社員の成長」と「社会貢献」どちらを優先するか
仕事を選ぶ際に「社員の成長をうたっている会社」と「社会貢献をうたっている会社」のどちらを優先するかを聞いたところ、「社員の成長をうたっている会社(計)」は54.6%(「社員の成長をうたっている会社(27.9%)」+「どちらかというと社員の成長をうたっている会社(26.7%)」)で、「社会貢献をうたっている会社(計)」は28.8%(「社会貢献をうたっている会社(8.2%)」+「どちらかというと社会貢献をうたっている会社(20.6%)」)でした。
「社員の成長をうたっている会社」を優先する理由としては、「自分が成長することでキャリアアップにもつながると感じるから」「社会人として自身が成長しやすいほうが、将来の道が開きやすいと思うから」などの意見が寄せられ、「働くこと」を自分自身の可能性を広げる場として捉えていることがわかります。
一方で、「社会貢献をうたっている会社」を優先する理由としては、「自身の成長よりも自分の仕事がどれだけ社会に影響を与えているかの方が重要であるため」「仕事のモチベーションとして人の役に立っていると感じられることが大切だと思うから」などの意見があり、社会貢献を重視する学生は「働くこと」を社会との接点や他者への貢献と捉えており、企業選びにおいても誰のために、どんな価値を生んでいるかを重要視していることが考えられます。
<企業>企業の2026年卒学生向けインターンシップの実施率は61.9%。実施率は4年連続で増加し調査開始以来最高
次は企業側の2026年卒の採用状況を見てみましょう。11月に発表された『2026年卒企業新卒内定状況調査』によると、2026年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は69.7%(前年比0.3ポイント減)で、4年連続の減少となり、採用スケジュールが変更された2017年卒以降、同時期の調査と比較して過去最低の結果となりました。
インターンシップ&キャリアを実施したかどうかで比較すると、実施した企業では75.3%、実施しなかった企業では60.6%となり、14.7ポイントの差が見られました。
採用充足率が全体で減少傾向にあるなか、インターンシップ&キャリアを実施した企業は、キャリア形成の場を提供することを通じて自社の魅力を学生に伝える機会があったことで、全体よりも採用充足率が高くなったと考えられます。
2027年卒の採用予定は?
2027年卒向け採用計画の策定状況を聞いた結果、81.3%が「実施する」と回答し、前年よりも増加しました。採用予定数については「今年度並み(74.5%)」が最も多かったです。
「増やす」という企業は前年比で4.0ポイント減少し、「今年度並み」は前年比で1.9ポイント増加、「減らす」は0.9ポイント増加となりました。
人手不足が続く中で引き続き高い採用意欲を示していますが、採用充足率の低下を受け、採用予定数は増やさずに現状維持、もしくは採用数を減らす企業が増え始めています。
多かった内定辞退理由は?
学生の内定辞退理由として多かったものを聞いたところ、最も多かったのは「より志望度の高い企業から内定が出た」(49.8%)でした。その他、「希望職種」(17.7%)、「希望勤務地」(15.1%)、「希望業種」(12.1%)、「給与条件」(11.4%)など、条件面での理由が上位となりました。
内定辞退対策として「オヤカク(学生の保護者に対する内定受諾の確認)」を実施する企業もありますが、実際に「保護者からの反対」による内定辞退は1.9%とわずかでした。
AIによる業務代替と新卒採用数への影響
自社の業務がAIで効率化できる・代替できるという可能性を考えた際に、自社の新卒採用数への影響として最も多かったのは「現時点では影響はないが、今後はわからない」(57.7%)でした。次いで「新卒採用数へのAIの業務代替の影響はまったくない」(21.4%)、「現時点では影響はないが、今後は影響がありそう」(20.8%)となりました。
業界別で見ると、「影響はまったくない」が多かったのは「建設」(25.9%)、次いで「商社」(23.9%)、「サービス・インフラ」(22.6%)でした。理由としては「現場作業が多いため、AIで代替できる業務が少ない」や「顧客支援には、AIへの置き換えが難しい人間的仕事がますます必要になっている」などの声がありました。
「今後はわからない」が最も多かったのは「官公庁・公社・団体」(67.9%)で、「議員からAIによる代替で職員数を減らすように言われている」などの声が寄せられました。
あとがき
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。今回は2026年卒学生の状況、2027年卒学生の動き、企業の2026年卒新卒内定状況をお伝えしました。冒頭にも書きましたが、各現場におけるキャリア支援も大きな転換期に来ているとお感じの方も多いのではないでしょうか。
今後のキャリア支援は、就職・内定をゴールとせず、学生一人ひとりが人生100年時代において学び続け、成長し続ける意志を持つことを念頭に、低学年からインターンシップなどのキャリア形成活動を地域や企業と連携しながら育むことが必要となるでしょう。
また、AIの急速な進歩に対し、人間に求められることを見極め、従来無かった支援を取り入れることが求められるでしょう。今後私たちも一緒に、キャリア支援の新たなステージを考えられたらと思います。
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