「マイナビの裏側」は、マイナビが企画・運営しているサービスについて、開発担当者に話を聞くシリーズです。今回は、昨年リリースしたマイナビの新しいキャリア学習サービス「My CareerStudy」について紹介します。2023年10月から新たに企業コンテンツも導入され、より社会のリアルをキャリア学習に活かせるようになった「My CareerStudy」。その立ち上げから関わるMy Career事業企画1課の柳内に、パワーアップしたポイントや今後の構想について話してもらいました。
Profile

柳内 汐砂美
株式会社マイナビ My Career事業企画1課 課長
2014年新卒で株式会社マイナビに入社。北海道エリアにて学生のキャリア支援・就職情報サイト「マイナビ」の広報業務に従事した後、2017年以降は企画職として学生向け教材の企画・開発、ガイダンスコンテンツの作成を担当。また10年間一貫してキャリア・就職ガイダンスの講師を務める。2021年より、キャリア学習サイト「My CareerStudy」の立ち上げに携わり、主にサービス企画・販促を担当している。
活きた学びを提供し、キャリアを考えるきっかけをつくる

—まずは、「My CareerStudy」をリリースするに至った背景を改めて教えてください。
マイナビは就職活動の支援を長く行ってきましたが、今後は次のフェーズに進む必要があると感じていました。具体的には、これからの時代の働き方や生き方を考えた時、よりキャリアそのものや社会について早くから学べる機会を提供できるようなサービスを実現したいと考え、「My CareerStudy」をリリースしました。
—なるほど。では、そのサービスの内容を教えてください。
「My CareerStudy」は、就職のタイミングだけでなく、低学年のうちから利用でき、社会で活躍するための知識やスキルを身に付けることができるキャリア学習サービスです。コンテンツの大きな柱としては3つあり、My CareerStudy編集部が提供する100本以上の基礎講座コンテンツ、今の自分を客観的に知ることができる適性診断コンテンツ、そして2023年の10月から新たに追加された企業コンテンツです。この企業コンテンツは、様々な企業がキャリア形成や社会で活かせる学びをテーマにして、学生向けに作成したものです。動画形式の講座、ライブ形式のミートアップ、テキスト形式の記事の3つの形式で学べるようになっていて、どの形式のコンテンツもMy CareerStudy編集部が提供するコンテンツだけでは学ぶことができない知識や経験が得られます。こうした活きた学びを通して、社会人の想いに触れ、リアルな社会を知ったり、ロールモデルを見つけたり、今後のキャリアを考えるきっかけになったら嬉しいですね。
社会と学生をつなぎ、新たな発見を見出す

—ちなみに、基礎講座コンテンツと企業コンテンツの違いをもう少し詳しく教えていただけますか?
基礎講座コンテンツはMy CareerStudy編集部が提供する講座です。具体的には、学生生活でも役立つようなレポートの書き方などの低学年向けの講座や、就活生に向けたエントリーシートの書き方などの就活ノウハウ系講座、そのほか、計画力やストレスコントロール力などのスキル系講座など、幅広いテーマを用意しています。この基礎講座コンテンツは、大学のキャリアの授業や、ガイダンスなどにも使用していただけます。また、講座受講完了の証となる「修了証」を発行している講座もあり、自分の頑張りが可視化されるような仕様になっています。
一方、企業コンテンツには、実際に働いている社会人が自分の経験を通して学生に伝えたい生の声が詰まっています。たとえば、広告関係の企業によるプレゼンのコツを教える講座や人材系の企業による自分に合う仕事の見つけ方などがあります。記事や講座、ミートアップのどの形式でも学生生活やキャリアを考えるうえで役立つ情報を知ることができます。また、ミートアップはオンライン開催のものが多く、チャット機能などを利用してリアルタイムで質問等することができるという特徴があります。インターンシップ&キャリアや説明会よりも気軽に参加でき、社会人と出会うファーストステップとしても活用いただけます。
—リリースされて1年以上が経ち、企業コンテンツが追加されてもうすぐ1年というところですが、学生や企業の反応はいかがですか?
学生からは「この講座を受講しなかったら出会えなかった業界、仕事を知ることができた」といった意見を最も多くいただいており、視野を広げる役割を果たせているのではと感じています。やはり、無意識にフィルターがかかってしまい、自分の好みや興味があること以外に目を向けることはなかなか難しいですからね。この企業コンテンツなどを通して新たな業界や仕事を知り、興味を持ってもらえる機会を提供できたらと思います。また、企業からは「低学年が予想以上に就職やキャリアについて真剣に考えて行動していることが知れた」と驚きの声をいただいております。企業コンテンツは、直接的に採用に結びつきませんが、働く人の雰囲気や仕事のリアルな一面を伝えたり、また先入観や偏ったイメージを持たれやすい業界や職種では、意外な一面を伝えることで新たなイメージ構築や認知獲得にもつながります。総じて、学生と企業の双方にメリットのあるコンテンツになっていると思っています。
上手に活用してもらい、学生の背中を押してほしい

—今後、新たに追加する予定のコンテンツなどはありますか?
今後は、より学生やキャリア支援担当の方々からニーズが高い講座形式のコンテンツの拡充を図っていきたいと考えています。一方で、「My CareerStudy」の講座数が増えていくことで、何から手をつけていいのかわからないという声もいただいています。そのため、対象年次や目的に応じて複数本の講座をセットにしたコースを設けるなど、体系的に学べる工夫も考えています。また、診断コンテンツで自分が今現在持っている・不足している社会人基礎力を知り、その力に対応したコンテンツを学べる仕組みなどはすでに実装されています。その辺りの周知も図り、学生が社会で活かせる学びや、自分の将来にプラスになる情報を主体的に学べる環境づくりに力を入れていきたいですね。
My CareerStudy「講座を探す」ページはこちら
—大学職員のみなさまにはどう活用していってほしいとお考えですか?
キャリアガイダンスの予習・復習に基礎講座を活用いただく事例も増えています。たとえば、予習で基礎講座を受講してもらうことで、ガイダンスでは講義の時間を短縮し、実践ワークを増やすなど、限られた時間より効果的に活用することができるようになった、というようなお声も伺います。また、企業コンテンツは低学年のタイミングでフラットに社会人の声を聞くことができる貴重な機会です。親や教師など身近な大人からだけではなく、自分とは接点がなかった社会で働く大人から、働くことの面白さや社会の仕組みについて学び、将来を少しでも前向きに考えるきっかけになればうれしいですね。加えて、OB・OG訪問代わりに社会人のリアルを知ることができる場としての活用も可能かもしれません。参画する企業の数は今後まだまだ増やしていく予定ですので、様々な学生のニーズに応えられるようになるのではと思います。
最後に、社会の変化が激しく、学生の価値観も多様化するなか、就職支援やキャリア教育は本当に難しいものだと思います。学内での支援に加え、必要に応じて私たちマイナビのサービスも上手く活用いただくことで、より学生のためになるサポートができればうれしく思います。
私たちができるのはあくまで「きっかけづくり」だと思っています。学生が一歩踏み出せるよう、ぜひ大学職員のみなさまが背中を押していただけたらと思います。
My CareerStudyをキャリア教育カリキュラムに取り入れた大学事例もございますので、ご確認ください。
「大学事例|身近なところから段階的に社会とつながる新しいカリキュラムへ|関東学院大学」を読む
Editor’s Comment

2023年4月にリリースしたキャリア学習サービス「My CareerStudy」。リリースから1年以上経ちどのように変化しているか、サイト立ち上げにも携わった柳内へのインタビューでした。
大きく変化したのが2023年10月に追加された企業コンテンツ。動画形式の講座、ライブ形式のミートアップ、テキスト形式の記事によって「活きた学び」を提供したい、という言葉が印象的でした。キャリア支援担当の教職員の皆さまには、キャリア科目授業やキャリアガイダンスの補助ツールなどでぜひご活用いただけると嬉しいです。
(マイナビ副編集長:谷口)
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