「マイナビの裏側」は、マイナビが企画・運営しているサービスについて、企画開発担当者に話を聞くシリーズ。今回は、大学1・2年生向けメディア「START」の企画編集責任者の安田に話を聞きました。リリースされてから3年。インターンシップ&キャリアなど低学年の就職活動準備も盛んになり、学生がキャリアに向き合うタイミングは年々早まってきました。この環境の変化を「START」はどのように捉えてきたのでしょうか。そして、立ち上げ当初から大切にしている、学生と向き合うスタンスとは。マイナビが展開している「10代からのマイナビ」ブランディングキャンペーンに込められた思いも聞きました。
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Profile
安田 一郎
就職情報事業本部 ナビ統括部 ナビ編集部
2015年、株式会社マイナビに入社。入社後は地域創生をテーマにした官公庁、自治体との取り組みにおける企画領域に従事。その後、2018年より現事業部内において主に大学1・2年生対象のキャリア形成をテーマにした企画立案を担当。2021年6月より就職情報サイト「マイナビ」内にて大学1・2年生向けメディア「START」の企画編集責任者を務める。
将来を考えるのは手段、大切なのはいま
―「START」について、前回はリリース直後にお話をお伺いしました。立ち上げから3年経ち、取り巻く環境も変わってきましたが、その中であらためて「START」の役割をお聞かせいただけますか。
マイナビは、長らく就職活動のお手伝いをさせていただいてきました。そこでの経験や気づきから、大学1・2年生に対しても役に立てることがあるんじゃないだろうかと立ち上げたのがマイナビ「START」です。低学年でも就職活動を意識している学生はいるので、もちろん就活準備コンテンツもあります。しかしながら、メディアの狙いとしては、もうちょっと視野を広げてほしい、将来そのものに役立つものを提供していきたいという思いがあります。
3年前というと、今でいう低学年の方向けの「インターンシップ&キャリア」が増え始めた時期です。就職活動の早期化を助長すると捉えられることもありましたが、そうではありません。この点はあらためて強調したいと思います。立ち上げ当初からの変わらぬ想いは、将来を考えることを手段に、いまを大切にしてほしい。
就職活動の早期化という発想とはむしろ逆。学生生活で何を大切にしたらよいのか、何をすることが自分にとってふさわしいのか、それを見つめる機会を提供するメディアが「START」なんです。
さらに、いまマイナビは「マイウェイはひとつじゃない。」という10代に向けたブランドコミュニケーションを進めています。あなたが思い描いているマイウェイだけが将来ではない。道は無限にある、でもその道はまだ出会えていないかもしれない。だからこそ、早い段階で選択肢や可能性を広げる機会を持つことの大切さを伝えています。両親や先輩、友人が就いた職業だけがすべてじゃないですよね。幅広い出会いを、学生も内心は求めているんじゃないでしょうか。大学1・2年生だからこそ、絞り込むよりも広げられる。極論ですが、企業で働くことだけが将来でもないはずです。
「マイナビの裏側|大学1・2年生は拡散と吸収の時期‐将来を考えるきっかけを提供したい|START」を読む
トレーニングの前に、目指したいゴールを
―就職活動への対策というより、将来の可能性を広げるメディアと言ってよいのでしょうか。
そうですね。アンケートから「就職活動は大学受験と似たもの」と多くの学生が思っていることが見えてきました。致し方ない部分もありますが、それだと自分自身の興味ややりたい気持ちよりも、どうすれば備えられるのかという対策に目がいきがちになってしまいます。対策ももちろん必要ですが、例えるならばやりたいスポーツも決まっていないのに、筋トレをやっているようなもの。それだと、鍛えるべき筋肉もわからないですよね。トレーニングばかりにスポットがあたり、目指すべきゴールが見失われてしまうという就職活動の一面もあると思うんです。
もしかしたら、今後はAIが職業をマッチングしてくれる時代も来るかもしれません。でも、そうなると、マッチングのキーが重要性を増していきます。しかしながら、キーとなるその時点での自分の指向や、好きなことや苦手なことは、本当に正しいものなのでしょうか。単なるその時だけのもので、他にも可能性があったかもしれませんよね。キャリア自律と言われる時代、その問いこそが大切になってくると考えます。転職や副業、リスキリング…。生涯にわたって自分はどうしたいかと、問わなければならないタイミングが出てくるんです。そういう意味で、就職活動はその最初の機会なのかもしれません。
そんな時代だからこそ、あらためて大切に思うのは自己分析です。もちろん、就職活動の対策でもしていると思うのですが、それはいまの自分を理解する、受け入れるためのものなんですよね。でも、大学1・2年生は、ともすればその先の新たな自分に出会うため、次のアクションにつなげるためにしていけるんですよね。学生生活を通して、いまの自分からまだまだ広げられるんです。大学1・2年生時から自己分析を行うことで、より充実した学生生活を送るためにも有効なのではないでしょうか。
正しくよりも、楽しく
—「START」はユニークなコンテンツが多い印象ですが、メディアとして意識していることはありますか。
「正しくよりも、楽しく」を意識していますね。ストレートに、自分は何が大切かということに向き合うのは難しいですよね、大人でも。だからこそ、いろいろな機会に出会い「あれは面白かったな」「なんで面白かったのかな」「なんで感動したのかな」と、自分との対話を通して見つけるのが良いのではないかと思っています。学生が新たな世界と出会いやすくするため「楽しく」という手法を大切にしています。
―どのようなコンテンツがあるのでしょうか。
「カンパニークルーズ」という、案内人と一緒に企業の採用サイトを周遊するコンテンツが人気ですね。やっていることは企業理解を深めることなんですが、それを「わからない」「つまらない」「孤独」ではなく、「わかりやすく」「楽しく」「みんな」で進めていきます。ここではチャットも好評です。同年代がどういうことを疑問に思っているのか、どういう思いを持っているのか共有することは、孤独を和らげてくれるのかもしれません。
「FLYING NEWS」というワークショップは、いわゆる「ガクチカ」を未来から考えるものです。「誇れる肩書きや経験なんてない」と言う学生もいますが、ならば個性が発揮できる未来予測、未来にやる行動を先に見つけてみるのはどうか、という趣旨です。ゲーム感覚もあって、ちょっと楽しいんですよ。
学生が本当に知りたいことを提供したいと思い、学生編集部も立ち上げました。うれしいことに、高校生からの立候補もありました。かねてから思っていたのですが、企業や社会が正解を教える側で、学生が学ぶ側のような潜在的な構図がありますよね。もしかしたら、それこそが学生の将来への気持ちを妨げているのかもしれません。企業の方々も、純粋に仕事を知ってほしいと思っているだけなんですが、手法が直接的すぎるとそう捉えられる懸念もあります。なので、学生が知りたいことを、好むやり方で提供していこうと改めて考えています。
学生の将来を広げる活動を一緒に
―大学でキャリア支援に携わる方々に、どのように活用してほしいでしょうか。
キャリア支援の中で、学生のやる気スイッチを押したり、モチベーションを高める機会がありましたら、ご活用いただけるとうれしいですね。STARTのユーザー層は特定の大学やエリアに限らず幅広い学生で成り立っています。また、オフラインイベントも多く開催しています。ただ、その中でも学生の中には二つの層が存在すると感じています。まず、将来に対して懸命な学生。こういった学生は、対策や就職活動準備に熱心なのですが、その前にもっと見てほしいことがあると思い接しています。次に、学生生活を楽しんでいるがゆえに、将来へのアプローチがまだ少ない学生。こういった学生たちが楽しいと思うことは、とても多様化しているのでなかなか難しいのですが、なんとかその一角に「START」も食い込んでいきたいですね。
「START」も少しずつ認知も広がり、ユーザーも増えてきました。われわれの精度も高まり、イベント参加者からは高評価もいただいています。マイナビ社としても、若い方々の将来を支援する気持ちはさらに高まっているので、そのシンボリックなメディアとなっていきたいですね。また、大学のみなさまと協力して、出前講座などにも取り組んでみたいと思っています。将来を考えることを手段に、いまを追求する、いまを探求する。その思いに共感いただけたら、ぜひお声がけください。
Editor’s Comment
2021年6月のオープンから今年で4年目を迎えた、大学1・2年生からの就活準備サイト「START」。オープンから一貫して企画編集責任者を担当している安田へのインタビューでした。サイトコンテンツは年々変化しており「学生編集部」「カンパニークルーズ」「FLYING NEWS」などご紹介しましたが、大切にしている根本は変わらず「正しいよりも面白く」というスタンス。低学年の学生から楽しく視野を広げるツールとして、今後もご活用いただけたら嬉しいです。
(マイナビ副編集長:谷口)
「マイナビキャリアサポート」は
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