「マイナビの裏側」は、マイナビが企画・運営しているサービスについて、開発担当者に話を聞くシリーズ。今回は、2023年4月12日にオープンしたマイナビの新しいキャリア学習サービス「My CareerStudy」について。VUCAの時代において、主体的に自らのキャリアに向き合う「キャリア自律」はビジネスパーソンの必須要素です。その視点を学生のうちから養ってほしい、その力で未来を拓いていってほしいという願いのもとにリリースした「My CareerStudy」について、企画・ディレクションしてきたMy Career事業準備室の宮地に、サービス内容と今後の構想、そして込めた想いを語ってもらいました。
Profile
宮地 一樹
株式会社マイナビ My Career事業準備室 My Career運営推進部 部長
2006年、株式会社マイナビに入社。一貫して、新卒向け就職情報サイト「マイナビ」の学生支援向けコンテンツの企画および制作ディレクション、広告業務に従事。2021年より、マイナビのキャリア系サービスにおいてIDを統合する「My CareerID」事業および「My CareerStudy」サービスを立ち上げるため、現部署で準備を重ねてきた。
誰もが「キャリア」をもっと手軽に考えられる場所
―4月12日にリリースされた「My CareerStudy」。どのような考えから生まれたサービスになるのでしょうか。
「My CareerStudy」は、社会で活躍するための知識やスキルを身に付けることができる、キャリア学習サービスです。生産年齢人口の減少による労働力不足は、日本にとって深刻な課題。さらに、デジタル分野の急速な進歩や産業構造の変化により、不確実で将来の予測が困難な時代、いわゆるVUCAの時代を迎えています。そこでは一人ひとりの個性やスキルがより一層重視されていくはずです。そして、多様な価値観やスキルを持つ、多種多様な人材が求められる状況は加速していくでしょう。
そのような時代背景の中で、マイナビとしては大学生に自律したキャリア観を獲得してほしい、主体的に未来を拓いていってほしいという想いがあるのですが、もしかしたら就職活動が始まってから将来を考え始めては、得られないこと、間に合わないことがあるかもしれません。本当に自分が求めていた未来に届かないことがあるかもしれないのです。就職活動期になると、どうしても内定獲得を優先したり、周囲の状況に焦ったりしますからね。だからこそ、そうした状況に陥る前の低学年から、単なる内定獲得ではなく、もっと先の自分を思い描いて、今の自分とつなげてほしいと思い、「My CareerStudy」をリリースしました。
―「キャリア自律」を助けるサービスということですね。どのような点が特徴なのでしょうか?
とくに低学年の学生は「キャリア」という言葉に難しい印象を受ける方もいるかもしれないので、「My CareerStudy」では「手軽さ」や「わかりやすさ」、「使いやすさ」を重視しました。たとえば、マイナビのキャリア系サービスで横断的に使える「My CareerID」を導入しているため、マイナビ2025の会員はシームレスでほぼログイン可能。つまり、マイナビに会員登録するだけで使える「手軽さ」があります。
また、低学年でも理解できるコンテンツの「わかりやすさ」、講座の1セクションあたりが約5分という「使いやすさ」も意識。それによって、「主体的なキャリアなんて、一部の人だけのものだよね」なんていう先入観を変えたいと思っています。
「My CareerStudy」は、従来の「キャリア」という言葉にもたれがちな、ある意味高尚なイメージをチェンジしていく場所になれればと思っているのです。
自分を知り、将来を描き、そして学んでいく
―マイナビと共通IDが使え、そして講座も1セクション5分ほどならば、スマホで簡単にログインして短い時間で学べそうですね。
大学生がメインユーザーのため、もちろんスマホからのユーザビリティも万全です。また、5分というのは、1講座の構成が、5分ほどのセクション5〜10個ほどでできており、1セクションずつ見ても理解できるということ。おっしゃる通り、スキマ時間の活用を意識しています。
現在、「My CareerStudy」のコンテンツは大きく2本柱あります。ひとつ目が「講座」。
「社会人基礎力」「ビジネススキル」「キャリアデザイン」「就活準備」「学生生活支援」の5カテゴリで、全50コースほどが用意されています。今後、まだまだ拡充していく予定ですが、各講座の最後には必ずテストを設置しています。これだけ講座が多いので、自分がどの講座を受講したかわからなくなることを防ぐ「学習の見える化」が目的です。また、テストを通して記憶への定着を促すとともに、モチベーションアップにもつなげたいですね。
そして、2本目の柱は、自分に適した学びを知っていくというもの。マイナビにも搭載されている「適性診断MATCH plus」を、さらに、いますべき行動へと結びつけることができる「社会人基礎力診断 MATCH plus Action」へと進化させました。
具体的には、「適性診断MATCH plus」で導き出された12の要素を深掘りしていくための講座をすすめたり、「他己・自己比較」というツールで「自分が思う自分」と「周囲の人が思う自分」の差異を明らかにしたり、キャリアプランづくりを支援したりと、いまできる行動へと促していきます。
汎用性の高い学びを揃えることで大学独自の学びを助けたい
―自分を知り、将来を考え、そして、どう動くかの具体策へと導くのですね。キャリア支援を担当している方々にどのような活用をしてほしいですか?
キャリア支援を担当しているみなさまの創意工夫やきめ細かなサポートは、私たちも敬服しております。非常にお忙しい日々かと存じます。その中で、学生に伝えたいことがあるけれども、なかなか講座や教材を準備するのが難しいこともあるかもしれません。
そのような際に、ぜひ「My CareerStudy」の講座を活用いただきたいですね。社会人基礎力やビジネススキルといった、どの職業においてもベースとなる内容が揃えられているため、基本的な知識、汎用的な学びは「My CareerStudy」にお任せいただき、その上に各大学ならではの学びやリアルだからこそできるキャリア支援を重ねていただけたら幸いです。みなさまの支援の下支えとなれるよう努めたいですね。
―他のマイナビサービスとの違いを気になる方もいるかもしれません。
就活年次前のサービスということで、「START」との差異に分かりづらいところがあるかもしれません。対象ユーザーは低学年で一緒なのですが、「START」は就職活動準備のためのメディアです。就職活動、もしくはその前のインターンシップに向けて、興味を広げ、活動の準備をしてもらう媒体。一方「My CareerStudy」は、就職活動のためというよりも、一生涯におけるキャリア形成の軸となるサービスを目指しています。
将来を早くから描くことはいまを変えることにつながる
―生涯となりますと、大学を卒業後も使えるのでしょうか?
いまは大学生をメインとしたサービスですが、将来的にはそのように考えています。社会に出てからも学び続ける時代のニーズに応えたいと考えています。そして、逆に、大学生になる前の高校生にも必要とされるサービスになりたい。一部の職種選択は、大学選択から始まっている場合があります。たとえば、弁護士という未来を描くならば、法学部を選択することが最も近道ですよね。他の職種でもそのようなことがもちろんあると思います。だからこそ、高校生にも将来を拓いていくことの大切さを伝えるメディアになりたいですね。
—他に、今後の構想はありますか。
直近では、企業と交流できるミートアップを予定しています。学んだことを実践する場ですね。また、いまでもDXなどの専門的な講座を用意しているのですが、まだまだ数が足りないと感じています。学生の多様なニーズに応えるため、より多種多様な講座を用意したい。このサービスを通して最もかなえたいことは、学生が、自分のことを知ったり、未来を考えたりするタイミングを、就職活動期から少しだけ早くしたいということ。それによって、いま、すなわち学生生活が変わってくると思うのです。将来を見据えた上での授業や生活、その他活動は、主体的に取り組めて、得るものも多いと思います。それによって、自分がなりたい将来像へ近づく可能性も高くなるはずです。そんなプロセスのきっかけに「My CareerStudy」がなれたら、うれしいですね。
Editor’s Comment
4月12日にオープンしたキャリア学習サイト「My CareerStudy」。
サイト企画・開発に携わる宮地へのインタビューでした。
「学習の見える化」ができるように工夫していたり、適性診断をもとに、自分にあった学びを選ぶことができていたりと、キャリアに対して楽しく学べるポジティブな印象を受けるツールでした。
キャリアという言葉に対して身近でポジティブな印象をもつ学生が増えること、そして、一生涯学び続けるためのコンテンツとして成長することを期待すると同時に、キャリア支援を担当されている教職員の皆さまには低学年時から基礎的な学びを得るためのツールとして、まずは気軽に活用いただけると嬉しくおもいます。
(マイナビ副編集長:谷口)
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