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大学事例|学生一人ひとりが自らの答えを導けるよう、きめ細かな支援を最後まで続けていく|明治大学

毎年約10万人近い志願者数を誇る人気の私立大学、明治大学。
在校生も3万人を超える規模の大きな大学ですが、その就職キャリア支援は「Face to Faceの個別相談」や「手作り支援行事」など、学生一人ひとりと向き合うきめ細やかさが特徴です。また、低学年向けの施策や保護者向けの施策なども充実しています。なぜ、明治大学はそこまでするのでしょうか。どうして、そこまでできるのでしょうか。
今回は、同大学の就職キャリア支援部の部長を務める舟戸一治氏にじっくりお話を伺いました。

Profile

舟戸 一治 氏
明治大学 就職キャリア支援部長
明治大学政治経済学部卒業、学校法人明治大学に1983年に入職。経理・人事や学部事務など、学内の様々な業務を担当し、2017年より現職。国家資格キャリアコンサルタント。全国私立大学就職指導研究会副会長も務める。

「就職は挑戦だ」をモットーに掲げ、2020年度は約16,000件のオンライン個別相談を実施

―最初に、明治大学の就職キャリア支援の取り組みについてお聞かせください。

明治大学の就職キャリア支援センターでは、「就職は挑戦だ」をモットーに掲げています。就職活動は、学生たちが自ら動かなければ何も始まりません。そこで、学生たちに「何事にも“チャレンジ”するという意識で臨んでほしい」「多少の挫折があっても諦めることなく挑戦し続けてほしい」という想いを込めて、この言葉を掲げています。
また、ここ数年の就職キャリア支援でとくに力を入れているのが、「Face to Faceの個別相談」です。新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、リアルな対面での個別相談は難しくなりましたが、2020年度はすべてオンラインに切り替えて約16,000件の個別相談を実施しました。

―どうして個別相談にこだわるのですか。

明治大学には1学年に約8,000人の学生がいますが、就職に対する思いや考え、置かれている状況は学生ごとに異なります。そのため一人ひとりの話を十分に聞いて、学生たち自身が自らの答えを導くお手伝いが必要だと考えているのです。
ただ、勘違いしてほしくないのは、答えを手取り足取り教えるような支援はしないということ。あくまで、学生自身が自ら考え、動き、納得のいく就職活動ができるよう、国家資格キャリアコンサルタントなどの資格を保有した専任職員を中心に、最後まで伴走していくことを心がけています。

オンラインの説明会を通して、学生たちの不安を知ることができた

―対面からオンラインに切り替えたことによる変化はありましたか。

これまでの対面での個別相談は予約不要で行っていましたが、オンラインの個別相談では前日までの予約を必須としました。このことにより、就職キャリア支援センターでの学生同士の情報交換が減ってしまったり、学生によっては事前予約のハードルが高く、相談しづらくなったりと課題が見えてきました。
そこで、私たちは個別相談とは別に週1回、学生が予約不要で参加できるオンラインの「就活なんでも相談会」を企画。2020年度は合計35回実施し、のべ4,700名以上の学生に参加してもらうことができました。この相談会は、学生は顔出しや発言をする必要がなく、質問がある学生はチャット機能を使って気軽に質問をすることが出来るので、参加に対するハードルをより低くすることができたと思います。
また、この相談会を通じて感じたのが、学生たちの不安を軽減することの大切さです。他の学生が書き込んだ質問を見て自分も聞いてみたいと思ったら「いいね」ボタンを押してもらい、「いいね」が多い質問から答えていくという形式をとりました。学生からは、「他の就活生も、自分と同じような悩みを抱えていると知り、安心しました」といった声を多数聞くことができ、他の就活生と悩みを共有することで不安を軽減する効果を実感することができました。

就活手帳や課題解決型プログラムなど、多様な取り組みで学生たちを応援

―なるほど。個別相談一つとっても、学生の反応をもとに内容ややり方をブラッシュアップし続けているのですね。ちなみに、他にはどのような支援を行っているのですか。

明治大学では大学3年生になると、学生全員の手元に「就職活動手帳」が届きます。この手帳は約2年間のスケジュールが書き込める手帳としての機能に加え、学内で開催される様々な就職キャリア支援イベントの情報や就職活動の心構え、How toなども掲載されており、学生たちからも大変好評です。
ちなみに、大学2年生の4月には「キャリア手帳」が配られ、学生が将来のキャリアを考える上でどのように学生時代を過ごすと良いかといった情報を、いち早く知ることができるようになっています。
また、学部を超えて低学年次から参加することができる課題解決型のプログラム「PBL」も学生からは人気です。実際の企業と連携し、社会や仕事の一端に触れることで、就職活動への意識はもちろん、日々の大学の勉強に対する意欲が高まったという声をよく耳にします。

学生が自分自身のことを知るためにも、様々なチャレンジの機会を提供したい

―学生は様々な社会との接点を求めているのですね。

そう思います。とくに、このコロナ禍において、アルバイトやサークル活動、海外留学なども制限され、学生たちが学業以外でチャレンジする機会が激減しました。そこで、明治大学では新たに「学生生活充実サポート」という取り組みを始めることにしたのです。
これは、今まで学内の各部署がそれぞれ独自に学生に周知していた学内でのイベント情報やボランティア情報を、明大生のための情報サイト「MEIJINOW」の中に一覧にしたコーナーを新設し、興味のある学生に届きやすくするというもの。学生時代に様々な経験を通して、まずは自分自身のことも良く知るきっかけを用意することができればと考えています。
HPに掲載するだけでなく、「『前へ!』Challenge Guide Seminar」というイベントもオンラインで実施しました。これはコロナ禍の状況においても、主体的に学生生活を送っている先輩学生の話を聞いて、これからの充実した大学生活を過ごすためのヒントを得ようというものです。就職キャリア支援センターだけではなく、学生支援事務室や国際教育事務室など部署の垣根を越えて共同で実施しました。
また、明治大学では学生だけでなく、保護者に向けた取り組みも積極的に行っています。こちらはエリアごとの父母会による主催ですが、就職活動の傾向をお話ししたり、就職活動を終えた4年生を交えてパネルディスカッションを開いたり。保護者の皆様に現在の就職活動を理解してもらうことで、学生が就職活動をより進めやすくなる環境につなげられればと考えています。

就職キャリア支援に絶対の正解はない 自分たちの大学に合った取り組みを

―本当に、学生たちのことを考えながら、きめ細かな支援を行なっているのですね。では、最後に。改めて、就職キャリア支援センターの存在意義と今後の目標について教えていただけますでしょうか。

今の時代、就職活動やキャリアに関する情報はインターネット上に無数に掲載されています。しかし、自分たちの大学に在籍する学生の、就職に関する思考や特徴を一番知っているのは大学のキャリアセンターです。同様に、自分たちの学生がどんな支援を望んでいるのか、悩みを持っているのかを把握できるのも、日々学生と向き合う私たち。だからこそ、就活キャリア支援に関する取り組みに絶対の正解はなく、それぞれの大学ごとの状況や強みをしっかり理解し、自分たちに最も合った就職キャリア支援を行うことが大切だと思います。私たちも、「自分たちに何ができるか」を常に考えながら今後も取り組んでいきます。ぜひ、他大学のキャリアセンターの皆様とも情報交換や協力を密にしながら、キャリア支援・就職支援をレベルアップしていけたらと考えています。

Editor’s Comment

日本の大学の雄である明治大学。これだけの大規模な大学でありながら、就職・キャリア支援は「Face to Faceの個別相談」や「手作り支援行事」など、あくまで学生一人ひとりに向き合うきめ細やかな内容が印象的でした。かと言って学生を過保護に甘やかすことはなく、これから逞しく社会で生き抜いていけるよう、自立性・主体性を育みたいという信念が、舟戸部長の優しいまなざしの中にも感じられたインタビューでした。
(マイナビ編集長:高橋)

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